Science Park~トランスヒューマニズム~

Science Park

~トランスヒューマニズム~

人間は、生きる方法を追求してきました。

これは、補装具で体の欠損部を補うことにも当てはまります。

古代エジプト人のミイラの棺から、木製の足の指が発見されているので、足の指を失った人のため、義足は何千年も前からあったことがわかります。

これまで世界最古の義肢とされていたのはイタリア・カプアで発見されたローマ時代の義足「Roman Capua Leg」(紀元前300年ごろ)なのですが、このエジプトの義足はそれより数百年も古いとのことで、古代エジプトの医学の先進性を裏付ける発見と言えそうです。

つまり、その時代から、トランスヒューマニズムの基本的な考え方が、あったという事なのです。

一般的に、トランスヒューマニズムとは、新しい科学技術、たとえばNBICと呼ばれるナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術に認知科学、また未来技術として考えられている仮想現実、人工知能、精神転送に人体冷凍保存などを支持しており、この考え方に則り、実際に薬品や遺伝子操作による寿命の延長・肉体の強化、脳とコンピュータの接続などの研究が行われているのです。

このような秘術を使って体を変える事は、何千年も前から行われてきたのですが、人間であることの意味が、劇的に変化するのは、21世紀中だろうトランスヒューマニストたちは考えています。

今後、遺伝子操作によって、まったく新しい世代の人間、いや人類が作られて行くのではないでしょうか。

遺伝子操作のひとつに、DNAを分離し、操作し、細胞もしくは生物に再導入して、そのDNAが増殖できるようにする方法は既に報告されています。

タンパク質はDNA上の特別な配列である遺伝子によって決定されるので、DNAの操作によってタンパク質に変更を加えることができるわけです。

2015422日、中国広州中山大学Sun Yat-sen Universityの研究チームが、世界で初めて人の受精卵の遺伝子を編集するという歴史的な実験を行なったことは記憶に新しいことです。

Scientists genetically modify Numano embryos in controversial world first

https://www.theguardian.com/science/2015/apr/23/scientists-genetically-modify-human-embryos-in-controversial-world-first

彼らは、クリスパーキャス9CRISPR−Cas9)という遺伝子編集技術を使い、ベータサラセミアという血液疾患の原因となる遺伝子異常を修復することが出来たと言います。

受精卵のDNAの一部を切断して、置き換える第三世代のクリスパーという新しい技術を使うことで、DNAの鎖を切断して、その部分を正常な遺伝子に置き換えることができるようになったわけです。

ゲノム編集技術は、第一世代から第三世代に分けられますが、第一世代は1996年ごろに作られた「ジンク・フィンガー・ヌクレアーゼ(ZFN)」と呼ばれている酵素で、細胞の中に入ると指定されたDNAを探して切断する方法です。

しかしZFNは、製作費用が高価なのが難点でした。

第二世代は2010年ごろにできた「タレン」と呼ばれるもので、ZFNよりも狙った遺伝子をより正確に改変できるようになった技術でした。

そして、第三世代が「クリスパー・キャス・ナイン」で、細菌がウイルスの侵入に際して、ウイルスの遺伝子を自分の遺伝子の中に取り込んで記憶し、同じウイルスが再侵入した場合、直ちにそのウイルス遺伝子を切

断するという働きを応用したものです。

この技術によって、人間のあり方も変わるのではないでしょうか…

DNAの改変技術は、病気などの問題を克服するためだけでなく、髪や目の色など、外形を変えることにも使えますし、更には、機能や身体能力を向上させることも出来るようになるのです。

http://neuro-educator.com/crisprcas9/

http://www.kyomation.com/8vh8

★遺伝子工学が生んだデザイナーベビー★でも話しましたが、人の受精卵を改変する事は、デザイナーベービィの誕生につながるのではないでしょうか…?

デザイナーベービィとは、親が選んだが外見や知能を持って生まれる子供のことですが、それが実現可能であるだけでなく、じきに親の定義も変わるのではないかと多くの人々は考えているのです。

例えば、イギリスは世界で初めて3人の親を持つ子供の誕生を合法化しようとしています。議会で、3人のDNAを使った体外受精を認める法案を賛成多数で可決したのです。イギリス政府は、合法だと宣言した訳です。

https://gizmodo.com/the-uk-is-officially-letting-doctors-create-a-3-parent-1822680194

ということは、実際に3人の親のDNAを持つ子供が、産まれてくることになります。

hthttp://www.kyomation.com/akl5

★X染色体とY染色体とES細胞★で、お話しした通り、将来的に考えられるのは、親の数が2人や3人とは限らなくなるということです。どんな数でも可能になるでしょう。

日本政府の生命倫理専門調査会がヒト受精卵を用いたゲノム編集の基礎研究を認める報告書をまとめ、実際に日本の大学などで研究を始めようとしています。

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/203154/1/future.life_1_34.pdf

人工子宮を使って胎児を育てることで、複数の親を持つことも可能になるわけですが、もし、それが実現すれば、優れた遺伝子を持つ人々から、遺伝子を寄せ集めるので、親が誰なのかという事は重要ではなくなるでしょう。

そのような未来はすぐ目の前なのです。

何人ものドナーから、遺伝的な特徴を選び、人工的に人間を作り出す事は可能なのでしょうか?

人は思い通りの特徴を備えられるようになるのでしょうか?

エジプト、エクソール、ここには、ハトシェプスト女王葬祭殿があります。

ハトシェプスト(Hatshepsut)女王とは、古代エジプト第18王朝第5代の数少ない女性のファラオです。

神殿の壁を彩るプレス画に、ハトシェスプト女王が、神から命を授かった場面が描かれているという。

ハトシェスプト女王葬祭の壁画には、はるか昔、神アメンAmen がハトシェスプトの母イヤフメスの寝室に入り、そして、アンクの鍵を使って、ハトシェスプトを作ったと言います。使われたアンクとは、壁画にあるように口元に示された鍵のような形の道具です。

これで、人間を生み出したと言うのです。

もし、何らかの装置から、命が生み出されたとしたら、それは魔法のように見えたはずです。

そのようなことをした神々は、いったい何者だったのでしょうか?

ハトシェスプトの命は、神によって授けられたという話があります。とうことは、この女王の誕生に科学技術を持った地球外生命体(異星人)が関わったと考えると、古代史が面白くなります。その際、ある種のDNA技術が使われたのではないかと考えることが出来るからです。

そして、遺伝子を操作して、人間の体を作り出したのかもしれませんね。

だとするとハトシェスプト女王は、遺伝子操作によって生み出されたデザイナーベービィではないでしょうか…その様子は、ハトシェプスト女王葬祭殿の誕生秘話のレリーフ壁画に書かれているのです。

一方、最先端の遺伝子操作を使って、ペンシルベニア州立大学State College、ペンシルバニア州立

大学生命科学部のゴン・チェン博士GongChenと生物学者のチームは、低分子化合物を使い、脳の

中にあるグリア細胞を神経細胞に変化させる研究について発表がありました。

Small Molecules Efficiently Reprogram Human Astroglial Cells into Functional Neurons.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4675726/

脳細胞の9割ほどが、グリア細胞というものです。これは、神経細胞の働きを支える役割を果たしています。

現在、実験で可能になっているのは、脳からグリア細胞を取り出し、別の化学物質を使って、その細胞の機能を変化させることです。つまり、薬剤が神経細胞への変化を促すことが出来るようにしたのです。

ゴン・チェン博士は、この研究が、重篤な脳損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などの改善や治療に役立つと考えています。

薬剤を注入するだけで、パーキンソン病やアルツハイマー病などの耐候性脳障害が治せるのでしょうか?

そうだとしたら、いつか、脳の神経疾患を完全に無くすことが出来るのかなど、現在は、この研究を病気の治療に応用することを試みているのです。

将来、その技術を応用すれば、私たちの知能は超人の域に達する可能性があるということです。

考えてみてください、使われている脳の中の神経細胞は、わずか10%です。もし、それを35%に増やすことが出来れば、状況は一変します。おそらく人間は驚異的な知能を持つことになるでしょう!

今後人間のIQを飛躍的に高めることができるとしたら、普通の人が、1000以上のIQを持つ可能性もあるのです。

ヒト成長ホルモンやステロイドを使うと身体能力が増強されますが、脳の働きを高める血清が開発されたら、どうなるのでしょうか…?

もうすぐ、作られると思います。

ゴン・チェン博士の研究によって、人間の知能が急激に発達することになりますもし、新しい脳細胞を作ることが出来れば、体内のどんな細胞も再生できる様になるでしょう。そうなれば、未来の人間から見た、今の我々は、まるでボノボかチンパンジーの様に見えることでしょう!

では、死というのは避けられないのでしょうか?衰えた細胞を新しいものに置き換えることが可能になれば、脳細胞を一新して、正常な機能を維持できるのです。

そうすれば寿命を伸ばせるでしょう!理論的には永遠に伸ばせます。それが、2045年までに実現すると言われているのです。

ところで、ヌートロッピックという薬剤をご存知ですか?

ヌートロッピック(Nootropics:向知性薬、すなわち脳の認知能の向上薬を指す)とは、スマートドラッグとも言われ、体の機能を強化することができる薬剤です。

つまり、化学物質のことで、特に脳の機能を向上させるために使われます。例えば、アセチルコリンなどのコリンという物質は、記憶を助けます。記憶力や想起能力、集中力を高める目的で、この様なヌートロッピックを使う人がいて、特にアメリカのシリコンバレーでは、流行しているようです。

将来ヌートロッピックを使って、人間の認知能力を高めることが、一般的になることでしょう。

ヌートロピックという呼称がより多く使われ、脳の機能を高める栄養素はsmart nutrientsと呼ばれて「頭をよくする栄養素」という意味です。

ヌートロピックは主に、脳の神経伝達物質や、酵素・ホルモンなどの神経化学物質の供給を増やしたり、酸素供給量を向上させたり、神経の成長を促進させたりすることによって働くといわれています。

また、ヌートロピックは、単なる栄養素や植物成分(ハーブ、根、豆、樹皮など)で、一般用医薬品として薬局で購入することも可能ですし、栄養補助食品としても利用されているのです。

全体のうちのごく一部のヌートロピックは処方箋医薬品であり、認知学習障害やアルツハイマー病、パーキンソン病の治療や、酸素欠乏による低酸素症を防ぐ目的で使用されています。

これらの医療用医薬品は人間強化を目的とした様々な応用も可能であるためにインターネット上で大規模に売買がなされており、また、医療目的外の個人的な認知能力の向上を目的とした多くの人々によって使用されています。

なお、専門家による科学的研究はヌートロピックの利用者が主張する利点の一部を支持する一方で、大半のヌートロピックに関する多くの主張は、科学的に正式なテストが行われていない点には注意が必要と警告しています。

20176月、厚生労働省は「医師の指導がないと、乱用や健康被害につながる」として医師の処方箋が無ければヌートロピックの個人輸入を原則認めない方針であることを言明しました。

ヌートロピックの効果は、神経伝達物質の補助として神経伝達物質の産生に必要な前駆体や補因子を体内に補給するほか、心血管を鍛える有酸素運動を定期的に行うことで、心臓が脳へと供給する酸素量を増やすことでも向知性の効果があるとされています。

思考は、生物学的には難しい部類の作業です。また、思考はニューロンを活性させる必要がありますが、そのためには十分な神経伝達物質を必要とします。

この神経伝達物質は、シナプス末端への再取り込みにより再び利用することが可能であるものの、それでも徐々に消耗してしまいます。

神経伝達物質の消耗は頭の働きのパフォーマンスを低下させ、注意力、論理的思考能力、学習能率、想起能力、調整能力、処理能力、レスポンスなどを悪化させるほか、憂鬱や精神的疲労をも引き起こしてしまいます。これらの理由により、神経伝達物質は頻繁に補充される必要があるわけです。

神経伝達物質の補充には、伝達物質の生合成素材となる化合物を摂取する必要があるため、神経伝達物質を最適なレベルに保つことが重要になります。

また、脳が老化するにつれて神経伝達物質を若い頃のレベルに保つことが難しくなることから、神経伝達物質の生合成素材となる化合物を十分に脳に与えることによって、脳を若々しい状態に戻すのを助ける、という効果も期待されているのです。

いつになったら、安心して服薬することが出来るのでしょうか、そして、その効果は期待できるのでしょうか・・・今後が楽しみですね!

 

 

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