2014年 日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会

A県認知症介護人材育成・連携支援事業「よりそいノート」を活用した認知症ケアにおける居宅介護支援事業者および地域包括支援センターの職員による医療・介護連携の意義と役割の周知

梶原千津子1)・原啓子1)・羽田野政治1)

¹⁾(認知症高齢者研究所・会員番号4702)

県の認知症介護人材育成・連携支援委託事業として認知症介護に係る人材を育成するとともに、県が作成した『大切なあなたへの「よりそいノート」くらしと医療・介護をつなぐために』を県全域の居宅介護支援事業者および地域包括支援センターの職員に「認知症地域連携セミナー」を開催して周知・推進を行った。
医療・介護の情報共有のための「よりそいノート」が対象者にどのように行き渡っているかの実態調査を含め、現状の医療・介護連携の状態などをアンケート調査にて行い、合わせて今後のよりよい活用に向け、関係機関を対象とした活用状況調査を実施した。
【はじめに】
私たち人間が障害のある・なしに関わらず互いの違いを社会で認め合いながら生きていくことは簡単ではない。
認知症ケアは継続的アセスメントに基づく適切な食事内容の確保や服薬の確認、排泄時の清潔保持、心身の状況の変化の確認など見守りから支援、援助までをシームレスに対応することが不可欠となるため、そのためには医療職・介護職の連携が必須となる。
【目的】
介護職は認知症の人が「人間らしく」暮らせるように日常生活動作を中心に身体症状に合わせて、よりよく豊かな生活を営めるようにケアを行っている。
医療職は認知症の人が人間的な生活を回復・維持・向上する身体疾患の経過をアシストしリハビリテーションを中心に援助に当たっている。
そうしたスタンスでは介護職は介護の視点だけで捉えたケアを医療職は医療の視点だけで捉えたケアを行っているに過ぎない。そこで、県が作成した医療・介護をつなぐための「よりそいノート」を活用し、医療・介護の中心的役割を担う居宅介護支援事業者を中心に情報共有の意義、重要性をセミナーで的確に伝え、連携出来る方法として認知症連携情報共有の「よりそいノート」を周知・推進することを目的とした。
【期間】
平成25年8月29日~翌26年3月31日
【対象者】
県全域の居宅介護支援事業者および地域包括支援センターの職員、介護保険関係職員
【倫理的配慮】
研究については事前にA県B局担当責任者に研究報告の目的・方法・趣旨を伝え、得られた情報は演題発表以外には使用しないこと、開示すべき内容には利益相反関係は無いこと、個人情報保護に努めることを説明し了承を得ている。
【方法】
県が提供する「よりそいノート」を使用し、認知症地域連携セミナーの開催をA県全域にて31回。(居宅介護支援事業者および地域包括支援センターの職員、介護保険関係職員を対象に行った。
セミナー参加者に対し「よりそいノート」を配布するとともに、作成目的、各ページの内容、使用方法などについて説明を認知症サポーター養成講座の一環として位置づけ利用者・家族・医療・介護の連携における介護支援事業者の位置と役割を説明した。
また、「よりそいノート」の活用状況について、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、介護保険関係職員を対象として、予め県との調整により作成した様式を使用し、調査および調査後の集計を実施した。
【結果】
セミナー参加者は1214名で内訳は職種別ではケアマネジャー36.4%・看護師35.1%・社会福祉士22.7%・その他5.8%
という結果であった。
その他、詳細は当日発表する。
【考察】
結果を踏まえると「よりそいノート」の有効性、利便性、活用する優位性、多職種や専門職への周知が必要であることが考察できた。

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