Science Park★絶滅を超えて生き残った人類 前半★

私たちは普段、自分の行動を理性で選んでいると思いがちですが、実はその背後には「本能」と呼ばれる無意識の力が働いています。

たとえば、汚れたものを見て思わず顔をしかめる。暗い場所で物音がすると心拍が早まる。

これらの反応は、すべて理屈ではなく体が瞬時に判断して動いている証拠です。

こうした本能は、危険から身を守るために私たちの祖先が長い進化の過程で身につけてきた「生き延びるための知恵」ともいえるものです。

しかし――

この本能は非常に強力なため、時に制御不能に陥ることもあります。

たとえば、1日に何十回も手を洗わずにはいられない「強迫性障害」のように、本能が暴走し、本人も困ってしまうほどに支配されることさえあるのです。

それでも、不快感は私たちが生き残るために地球が授けてくれた「進化的な知恵」といえます。

人間の体や行動様式は、過去数十万年にわたって私たちの種を脅かしてきた大小さまざまな脅威とともに形作られてきました。

何故、人は不快と感じるのか?Gave us disgust

人の最も強力な本能は“不快感”だとデューク大学の心理学者ギャヴァン・フィッツモンズ(Gavan Fitzsimons)博士は言います。

人間の感情の中で、世界共通の根源的感情は、恐れ、怒り、不快感だというのです。

人は特定のことに拒絶反応を示しますが、これは理屈抜きの感情です。

不快と感じた時どう反応するかは、世界中違いがないのだそうです。特徴的なのは顔に共通した表情が現れてきます。

不快感の表情には一定のパターンが存在するとフィッツモンズ博士は言います。

目を萎ませ、鼻にしわが寄って上唇が上がります。体を遠ざけ、手で口を覆います。

その理由は・・・

こうしたとっさの反応で感染源となりうるものから、自分の目と口を物理的に遠避けてているのです。

つまり、無意識のうちに自らの身を守っているのです。

不快感は、はるか昔から存在する根源的感情なのです。

人類の歴史を通して、私たちの祖先が生きていくうえで大きなネックとなっていた一つが病です。

人類の歴史の中で、突然変異や進化する病原菌は、火山の噴火や地震、肉食動物よりはるかに大きな脅威でした。

病気が死に直結する時代、時に不快と感じ時に逃げることで、病原菌と闘ってきたのです。

この何気ない反応は、かつて病原菌から身を守る素手だった。

19世紀半ばにルイ・パスツールが病原菌を発見する前に私たちは「心」が進化する過程で、無意識のうちに感染を避けるようになっていたのです。

この本能はあまりに強く、時に制御不能に陥り、人が本能に支配されてしまう場合があります。

強迫性障害の人は、一日に何百回も手を洗います。

これは不安から来るもので、本人たちも意味がないと理解していて、やめたと思い困ってもいるわけですが、でもやめられないというわけです。

このような行為も、地球によって私たちが生き残れるよう“直観に従い不快”だと感じる能力を授けられたことによるものです。

人間の体や行動を形作ってきたのは、大小様々な人類への脅威だということです。

7万年前に地球で起きたある出来事は、私たちが本当の意味で人間へと生まれ変わるための究極の試練を与えられたのでした。

その出来事は、考えただけでも“ぞ~っと”する。人類滅亡の一歩手前まで行った出来事でしたが、ご存じですか?

では、お話しましょう。

激動の地球の歴史は、はるか昔、45億年前に始まりました。

そして、その歴史は今を生きる私達にも、不思議な方法で影響を与え続けているのです。たとえば、現在、問題になっている少子、つまり、出生にかかわる不可解な統計があるのです。

世界中の出生記録を調べたところ、地震発生直後の数日間で出生率が跳ね上がっていることが明らかになっています。自然災害と出生には大きな関わりがあるようです。

そして、もう一つ明らかになったことがある。

災害から丁度9か月後に出生率が再び跳ね上がるという事実です。

災害は出産を促すだけでなく、無意識のうちに人間に性の営みを働きかけているのです。

この統計に、進化論的説明をつけるとするならば、災害直後に人は子孫を残したいという本能が働くという事ではないでしょうか?

万が一、災害によって、一族の誰かを亡くしたとしてもその代わりを務めることが出来るように…

そう災害は人類の生存を常に脅かす存在だったようです。

有性生殖をご存じですか、これも地球のいたずらだと言われているのです。植物の話ですが、植物が色鮮やかに花を咲かせる主な理由は、有性生殖を行うためなのです。人間とは時間軸が違いますが、外敵に襲われたり、地球規模で災害が起こる前に、花は受粉のプロセスを急ぐために、鮮やかな色や甘い香りで虫や鳥を引き寄せ花粉を運ぶ手助けをさせるのです。

2011年3月11日の大地震は覚えていると思うけど、その年の宮城県の「白石川堤一目千本桜」で梅の花が異常に鮮やかに咲き出したという記録があるらしい。時季外れだという地元の話なのだが、その年も「気候変動」の影響で開花が早まったと、しかし、明確な因果関係については十分に調査されたていないのでわからないが、大地震前に地下からの微量なガスの放出が気象変動を起越して、梅や桜が狂い咲きしたという説もある。前触れってあるのかもしれない。

話は、有性生殖に戻すが、この受粉が成功すると、種子が作られて次の世代へとつながるのだが、つまり、花を咲かせることは子孫を残すための重要なステップであり、自然の巧妙な仕組みと言える。

人間も同様で、人間の敵は肉食動物だけでははく。我々の住処である地球そのものが、実は、最も危険なのかもしれない。稲妻、洪水、山火事、そして大地震、人は自然災害に命を奪われてきたわけだから・・・

そして、今、その地球が、また、人類に大きな課題を投げつけてくる時が近づいてきているようで、南海トラフ地震と気象変動、異常な花を開花など、妄想してしまうほど、今年は前触れが表れてきている感がする。これも本能のなせるものなのか?

地球は数多くの災害によって、姿を変えてきました。

隕石の落下…火山の大噴火…私たちの想像を超える大規模なものです。

だが、一歩で災害は、無意識の創造主として徐々に私たちの体を形作り、行動を駆り立てて来たのです。

私たち人間の特徴を辿っていくと、すべて巨大地震や津波、大規模噴火といった出来事に行き着くのです。

人間は、自然の力の前では無力です。

これまで数え切れないほどの災害に見舞われてきた中、実をいうと、私たちを人間足らしめた災害は、たった一つ、その痕跡は私達のDNAに刻まれているのです。

何故、人のDNAは書き換えられたのかRewrote our DNA・・・世界中の遺伝子を調査した結果、驚くべき事実が判明したのです。

この世に生きている人々は皆、7万年前のおそらく数千人規模の、非常に小さな集団の子孫であることが分かってきたのです。これを人類のボトルネック理論というんだけど、特に、今からおよそ7万年前に地球で起こったある出来事——トバ火山の超巨大噴火は、地球規模の気候変動を引き起こし、多くの生物が大きな影響を受けたんだ。それによって人類が生き残った小集団から多様性を広げていったという考え方だけど、現生人類が絶滅寸前まで追い込まれる大災害だったことは事実なのだ。

詳しくお話しすると、7万4千年前、のちに世界を混乱に陥らせた史上最悪の災害がインドネシアのスマトラ島で起きました。

トバ火山の地下から、2500立方キロ飲マグマが紛失したのだ。単なる火山ではなく超巨大火山です。

右の写真は、カルデラ湖「トバ湖」となったトバ火山 ランドサットによる上空からの画像です。

記憶あるのが、大噴火というと1980年のセントヘレンズ火山を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、トバ火山の噴火は、その何千倍の規模です。

噴火の影響でその年の冬は、相当厳しものだったはずです。噴火によって地殻変動が起き、空は暗くなり、氷のような寒さが6年間続いて、人類は絶滅の危機に陥りました。

この大噴火により、人間の数はわずか数千人までに減少したのです。人類滅亡の一歩手前でした。

私たちは皆、トバ火山の大噴火の幸運な生き残りの子孫でもあるのです

もし、それが事実ならば、わずか7万年前に人類は絶滅のほんの一歩手前まで行ったということになります。

この噴火の痕跡は、現代に生きる私たちの体に刻まれているのです。その証拠を握るのが、DNAです。

多様に見える人間ですが、DNAの配列は99.9%以上一致しているのです。

これは、動物としては異例でハエですら人間より10倍も遺伝的多様性を持っているのです。

この人間の驚異的な類似性は、トバ火山の集団消滅によって必然的にもたらされたと考えられている根拠になっているのです。

私たちはありとあらゆる災害を経験していると思いがちですが、より大きな自然で見るとそれらは地球が生み出してきたもののほんの一部に過ぎないことが分かります。

私たちの目の色、骨の形、そして、「心」のメカニズム…

わずかな手掛かりが、私たちを作り上げた意外な地球の姿を浮き彫りにします。

そして、そうした人間の体や心に隠された手がかりを拾い集めた今、地球の歴史の全貌が明らかになるのではないでしょうか。

太古の生物から、現在の私たちに至るまで、あらゆる生命の営みの歴史をさかのぼって、これまで地球で起きてきた様々な出来事を振り返ってみることは、私たちにはできるです・・・そこから得る全ての手掛かりから浮かび上がる真のヒトの物語です。

206本の骨、640個の筋肉、膨大な数の細胞、人間の体は私たちを取り巻く地球の創造物です。

私たちの体には、地球の歴史を解明する仮想マップが埋め込まれているのです。

人間の体は、地球の歴史そのものなのです。

つまり、地球の歴史が私たちに刻まれているのです。

人間のあらゆるところに地球の歴史の痕跡が残っています。

遺伝子を調べれば、地球上の最も初期の生命体までさかのぼることもできます。

嘘みたいな話ですが、私たちの体には単細胞生物、恐竜、哺乳類、類人猿、そして現在の私たち人間へと続く、地球上のあらゆる生命体の設計図とその道のりがすべて刻まれているのです。

人体から学ぶ地球の歴史 How the Earth made Man

137億年前、何も見えない小さな世界がインフレーションという大爆発を起こし、その瞬間に目には見えない大きな世界が完成しました。

そして、今からおよそ46億年前、燃え盛る大量の溶岩の塊としてこの世に生まれた地球は、生命が宿るような環境ではなかった。

5億年後、地球の温度は下がり地殻が固まり、やがて表面に水の塊、海が現れ生命の素材となるタンパク質や核酸、アミノ酸、糖などの有機物が大気中の二酸化炭素や窒素、水などの無機物に雷の放電や太陽の紫外線などのエネルギーが加えられ、39億年前に最初の原始生命が生まれた。

10億年もの月日が経つと光からエネルギーを吸収して、はっきりとした核を持たない最初の単細胞生物が生まれました。

やがて光合成を行い自分で栄養を作り出すシアノバクテリアが住み着きました。

それから30億年地球はすざましい変化の嵐を耐え抜きます。生命は顕微鏡を使わないと見えない大きさのままです。

地球規模で生命の歴史を語ることは、バクテリアの歴史を語ることにほかなりません。

今でも単細胞以下の生物が大部分を占めています。

そして、5億年以上前、光合成によって、無機物である二酸化炭素と水からブドウ糖などの有機物を作り出し、光合成により大気中の酸素が増加したことで、より高等な生物がすむ環境が整いました。

このとき人間を含めたすべての動物の基本構造が出来ました。

3億7千年前、ティクタアリク・ロゼアエ(Tiktaalik roseae)という古代魚に手足が生え、陸上へと這い上がりました。これが人の体を動かす腕の原型となりました。

2億5千年前には、トカゲに似た生き物が地上最大の大量絶滅を生き延びました。その顎の一部が、私たちの耳の骨へと進化し、優れた聴覚が備わりました。

6千5百年前、ネズミに似た哺乳類に進化した私たちは、小惑星の衝突という大惨事を生き延びます。この時の体毛、爪、肌が後世に受け継がれたわけです。

私たちは哺乳類から霊長類へと更に進化を遂げ続けているのですが、地球による人間の創造はまだ終わっていないのです。

数百万年の渡るアフリカ大陸の変化が、私たちを類人猿から人へと進化させました。

二足歩行で歩き、走る能力、投げる能力、狩の能力を手に入れます。

この時の肉食動物への恐れ、本能が私たちの「心」に刻みこまれました。

260万年前、氷期という試練の中、人の脳は3倍の大きさへと成長、合理的な能力が備わる一方、デジャブといった歪が残されたといわれています。

環境の変化という困難が、直観に従い不快と感じる能力を私たちに授けました。

25万年前、私たちの体はさらなる進化を遂げます。

15万年前、アフリカの大地を離れ人間は世界へと散らばりました。

7万4千年前、スマトラのトバ火山の大噴火により私たちは絶滅の危機にさらわれました。

その痕跡は遺伝子の類似性として今に残っているということです。

そして、古代シュメールを皮切りにエジプト、ギリシャ、ローマ、中世ヨーロッパ、アメリカ、そして現代へと続くありとあらゆる文明が、このわずか1万年の間に華が開きました。

人間の文明は本に示され、それ以前の歴史は全て私たちの体に刻まれています。

地球の歴史が浮かび上がらせたもの、それは私たち人間が、およそ45億年の大激変の幸運な生き残りであるという粛然たる事実です。

私たちが今こうして生きていられるのは、祖先たちの素晴らしい想像力のお陰であると同時に幸運のお陰でもあるのです。祖先は長い歴史の中で、ほかの生命体であれば、とっくに絶滅してしまうほどの大惨事に何度も巻き込まれてきており、実際絶滅してもおかしくない状況もありました。

単細胞生物が、この世に生を受けてから300億の種が地球に生まれ、そのうち99.9%絶滅しました。そうした過去の多くの絶滅した生命の延長線上に今の私たちがいるのです。

そう考えると考え深いものがあります。

最初の単細胞生物の誕生から、海の中で生まれた様々な生物、そして爬虫類、恐竜、やがて哺乳類が生まれ、私たち人間へと続いているのです。

なんという幸運でしょう!

ここで、ダーウインの進化論のお話をしましょう!

人的淘汰と自然的淘汰という言葉はご存知ですか、そう遠くない昔、地球上には、まだ犬は存在しませんでした。

今は、大型犬、小型犬、番犬、狩猟犬、ありとあらゆる犬がそろっています。でもなぜでしょう!

種類が多いのは?

犬に限らず、この地球に多種多様な生き物がいるのはなぜか、蝶やクジラ、タツノオトシゴ、植物やカメ、人間なぜ一種類ではないのでしょう。

多種多様な生き物はどこから来たのでしょうか、答えは変身する力です。

まるでおとぎ話や神話のようですが、でもそうではないのです。

3万年目には、まだ犬はいません。最終氷期といい冬が終わらない時代です。

植物や動物すべてが野生でした。

人は集団を作り放浪生活をしていました。

星空の下で眠り、空を見て物語や暦や生きるための手引を作りました。

空を見て寒さの到来や穀物の実りの時期、トナカイやバイソンの群れが動く時期を知りました。食べ物や衣服は狩りによって手に入れ、豊富に見つかるとしばらくそこに留まったのです。彼らにとって家とは、地球そのものでした。

敵はおなかをすかした肉食動物です。その中に狼がいます。狼は人間が食べているものを取りたくても、火を使う人間に怖くて近づけません。

恐怖心は血液中のストレスホルモン(コルチゾール)によるものです。これは身を守るためでもあるのです。

人間に近づくのは危険な行為なのです。でも狼にもいろいろいて、そのストレスホルモンが低いものもいます。人間をあまり怖がらない狼です。

この狼は1万5千年前に、別の種類になることに決めました。

見事な生き残り戦略、なんと人に飼われることにしたのです。

人に狩りをしてもらい人を襲わず、人の残り物をもらう、食べ物に困らず子孫も残せます。子孫はその性質を受け継ぎ、この家畜化は長い年月で色濃くなり、狼は犬へと自ら進化したのです。

これを人的淘汰といいます。

なついたものが生き残ったのです。人にとっても好都合でした。ただ残飯を片付けるだけではありません番犬になったのです。

犬と人との共存が続くにつれて、犬の姿も変わっていきました。だんだんと可愛い犬が選ばれたのです。

見た目がいい犬ほど選ばれて子孫を作りやすくなりました。互いの都合で始めた共存がやがて深い友情に代わり始めました。

そして、氷期と氷期の間の温暖な時期である間氷期では、どんな変化が見られたのでしょうか、気候の変動は大きな変革をもたらしました。

人は放浪をやめて定住しました。そして、出来たのが村です。これまでのように狩もしますが、食べ物を自分たちで作っています。農業が始まったのです。

犬は人間の良きパートナーとして狩や警備、運搬などを手伝いました。

そして、人はたくさん生まれた子犬から気に入ったものだけを選びます。そして何世代もかけて進化させていきました。このような進化を人為淘汰と呼ばれます。

狼から犬への進化は、人類が初めて進化に介入した一例です。

その後も人は介入を続け、必要な動植物を改良してきました。

つまり、今いる犬たちは人の手で作られ、食べられない野草は小麦やトウモロコシに変えたのです。

わずか1万5千年ほどの人為淘汰で、これほど大きな変化が起きましたが、何十億年にも跨る自然淘汰は、何をもたらしたのでしょうか?

答えは美しくて多様な生き物たちです。

意外に思うかもしれませんが、2百万年前から地球は氷河期が続きています。

今は間氷期なのです。

200万年前は北極の氷はロサンゼルスあたりまで続いていました。アイルランドの凍てつく荒野に一頭の熊がいます。

ところが、その熊に特別なことが起こったのです。

熊の卵子の中を見てみましょう!

微小管の上を歩きながら物質を運ぶキネシンというたんぱく質で私たちの細胞の中にもいます。

そして細胞核、この中にDNA〈デオキシリボ核酸〉が入っているのです。

太古から受け継がれる遺伝番号です。どんな生物でも解読できる言語で書かれています。

DNAは、ねじれたハシゴで二重らせんになっています。ハシゴの段は4種類の小さな分子で出来ています。これをアルファベットの文字で表します。文字の配列によってあらゆる生物の設計図が決まります。

どのように成長し動き、食べ、周りを感知し、回復し,繁殖するDNAの二重らせんは、大きな分子の構造で原子という一千億の部品から出来ています。

ひとつのDNA分子に含まれる原子の数は、一つの銀河に含まれる星の数と同じぐらいなのです。

ですから生物である私たち一人一人が小宇宙と呼ばれている由縁なのです。

DNA情報は細胞から細胞、世代から世代へと受け継がれ精密に複製されます。

新しいDNA分子の誕生は、ねじれをほどくタンパク質が二重螺旋のハシゴの段を壊して鎖をほどくところから始まります。

遺伝暗号の分子は、細胞核の液体の中で浮遊しています、ほどけたらせんは、失った相手を複製し、全く同じDNA分子が二つできます。こうして遺伝子は複製され世代から世代へと受け継がれるのです。

細胞が二つに分裂すると、それぞれが完ぺきなDNAの複製を持ちます。特定のたんぱく質が、DNAが正確に複製されたかをチェックしているのです。

ただ完ぺきには行きません。

たまに間違いに気づかず、遺伝情報がわずかに書き換わることがあります。

これを突然変異といいます。

熊の卵子に突然変異が起きました。偶然によるこの些細な出来事は、とても重大な結果をもたらすことがあります。

突然変異は熊の体毛の色を決める遺伝子を変えました。熊の子供は黒い色素を失い白くなりました。

突然変異はどのタイミングにでも起こります。その変異が環境に適合すると生存競争に有利です。自然界では生存により適した生物が選ばれるのです。

白い熊と茶色の熊は分かれ、数千年の時を経てそれぞれ独自の進化を遂げました。

違う種に代わっていったのです。これが、チャールズ・ダーウィンが「種の起源」で唱えた進化論です。

個々の熊は進化しません。集団が進化するのです。何世代もかけて…

地球温暖化で、北極の氷が解け続けると北極熊は、絶滅し氷のない世界に適用した茶色の熊が繁栄することでしょう!

犬の進化とは違い自然環境が選んだのです。

これが自然淘汰による進化で、1859年チャールズ・ダーウィンによって発表された「種の起源」の進化論は、最も革命的な考え方なのです。

しかも、未だに物議を交わしているのです。

なぜでしょう!

人と猿は祖先が同じと聴くと、あまり好い気がしない人もいるでしょう!

似ているからこそ認めたくないのです。

人に最も近いチンパンジーですが、明らかに行動は違います。

人が猿と距離をおこうとするのは、無理もないことで、人は他の動物とは違って独自に創造されたと昔から信じられてきました。「人」は特別だと考えたのでしょうね!

でも、「人」と「樹」が親戚だと言ったら…オークという植物のDNAの一部に糖を代謝する方法が書かれています。

人のDNAの同じ部分と比べてみましょう!DNAは嘘をつきません。

つまり、植物は私たちの遠い親戚なのです。

植物だけではありません。太古まで遡れば、みんな祖先はつながっているのです。

虫も、魚も、鳥も、キノコも、細菌もみんな家族です。

DNAの一部が種によって違うだけです。それが、鳥と魚の違いを作っているのです。一卵性でない限り、この宇宙に全く同じDNAを持つものはいないのです。

種と種の遺伝子の違いが、自然淘汰が起こる要因となります。環境が生き残り増殖しやすい遺伝子を選ぶのです。

生命の最も基本的な機能に関する遺伝情報は、人も他の種もほぼ同じなのです。

それは生命の機能の根幹をなしていて、様々な生物に枝分かれする前に備わったのです。

これは我々の生命の樹、地球上のあらゆる生物の種が入った系統図を表すことが可能になりました。

遺伝的に近い親戚は、同じ枝に属し、遠い親戚ほど遠くに位置します。

小枝一本が一つの種です。

そして樹の幹が、地球上の全ての生物の共通の祖先です。

生命は順応性に優れるので、誕生した後は環境に応じて実に様々な形に変化しました。

生物学者達は、甲虫だけで50万種に分類しました。

もちろん細菌の種類も無数にあります。この世には何百万種もの動物や植物がいますが、そのほとんどが未知のままなのです。

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