SciencePark新たな視点で描く人生(LIFE)の物語2025(3/5)

人生40億回の鼓動人生40億回の鼓動

人生40億回目の鼓動、この記念すべき心拍数に達したら、幸運を祝ってほしい・・・ 人生に乾杯、そして、素晴らしい旅に祝福あれ。LIFE、それは一人の人間が歩む、素晴らしい人生の物語。

しかし、私の懐かしき思い出は鼓動の響に逆向しながら落ちて消えていく。

新たな鼓動が始まるたびに、未来への希望が広がる。思春期の頃のように。人生40億回目の鼓動、この記念すべき心拍数に達したら、幸運を祝ってほしい・・・

~第3章 思春期~

当時の私には大ごとだったが、今、思えば思春期はユーモアに満ちていました。

まずは陰毛やわき毛などが生えてきたのに気づきます。

次に気になるのが匂いでした。

体臭に疎まれがちですが、実は大きな意味を持っているのです。

陰毛は体の成長を視覚的にアピールするだけでなく、体臭を放つ面積を広げるという働きもあるのです。

臭いでも成長を示すことになるのです。

芳香かは別ですが、思春期には体のあらゆる箇所が急成長します。

ですが、部位によっては成長時期が違うのです。最初に成長を見せるのは、手や足や頭などです。次に脚や腕が続きます。最後にようやく胴や肩が追いついてくるという具合です。

3年後、背が25㎝伸びて大人の体になってきます。

この頃、私は戦地に行って、敵を倒し手柄を上げる、そんな希望だけを頼りに生きていました。

今でこそ思えば、軍隊は“プロ野球”に入団するような憧れであったと思う。

そして、思春期の象徴と言えば、女の子への興味が出てきたことでした。なぜか、この頃から突然、女の子を意識するようになりはじめていました。

幼児期、初めて両親に連れていかれた縁日のお面の屋台で、同じ年頃の男の子を見て意識したころに似てはいるが、今回の意識は少し違うように思える。男の子とは別な感じがする。

私の場合は、隣に住んでいた2歳年上の“ターちゃん”という女の子だった。その時、顔に変化が表れていた。

皮脂腺は肌の保湿と保護のため皮脂という物質を作る。

思春期のテストステロン(男性ホルモン)の過剰分泌で、この皮脂が過剰に作られると毛穴に詰まった角質や汚れや細菌が炎症を起こします。

皮脂腺が化膿し、皮膚の表面が盛り上がるのです。平均的な10代の若者の額に1年で分泌される皮脂の量は、200㏄コップ1杯分です。だが、私には仲間がいた浩二と政尚だ。

3人とも顔中にニキビが…特に浩二はひどかったと記憶している。

だが1年後、1938年明治大学が六大学野球史上初の四連覇という快挙がなされた年、私のニキビも治り、品川の小山台にある東京府立第八中学校に入学が決まり、家で合格祝いをしていた時、隣のターちゃんが訪ねてきて、話があると…しかも2人きりで…夢のような出来事に、鼓動が早まったのを覚えている。

初めての恋で不可解な思考回路に陥るのには、実は科学的な理由があるのです。

目的は生殖行為?いえいえ…恋愛の初期段階では、脳の批判的な機能は働かなくなるのです。そのため相手の欠点に気づきません。

”恋は盲目“で“あばたもえくぼ”です。

当時の私は、この上なく幸せでした。

だが、幸福感をもたらすセロトニンは、恋に落ちると奇妙なことに減少するのです。その一方でドーパミンは増加するのです。快感や高揚感や興奮をもたらすのです。

その快楽をもっと得たいという欲求が生まれ、さらにドーパミンが分泌されるというわけです。

脳内物質に関して言えば、強迫性障害や薬物依存に近いと言えます。

とは言え、10億回目の心拍を刻むには悪くないタイミングです。

六大学野球の覇者、明治大学にも合格が決まり、卒業を数か月後に控えた1941年の春は、日本軍は快進撃を続け、中国を英国から開放することを盟約にマレー半島のコタバル、明日にかける橋で有名なタイのバタニンから上陸、マレー作戦の開始は、香港攻撃と共に新聞を騒がしていた。

しかし、連日米国の経済封鎖や不均衡の条約締結など、まさに開戦前夜を思わせるような状態でもあった。米国と一戦を交えるという話でもちきりになっていた。

学業も恋愛も順調だったある日、私は品川の豊町で働く彼女を迎えに戸越公園駅で降りたのでした。

しかし、雨が突然降り始めたので駅の階段を走って駆け下りた瞬間、私の前十字靭帯、大腿骨と脛骨をつなぐ靭帯だが、断裂してしまったのです。

靭帯には関節の働きを制御する役目があります。

結局、彼女を迎えに行くこともできず、携帯電話もない時代、病院から家族に連絡を入れてもらうだけで精一杯、彼女がいるなんて話は到底親に言える時代ではなかったわけで、10億1500万72回目の鼓動で初めて失恋した。

振られるのは何歳でもつらいが、初めてなら、なおさらだ…10代の脳がアンバランスなことも影響する10代の辺縁系はほとんど成熟しているため、愛、欲望、拒絶などを大人並みに強く感じるのですが、冷静な判断や衝動の制御を促す前頭前皮質は、まだ、未熟なままでした。その時、ロミオとジュリエットの悲劇には、理由があることを知りました。。

1943年1月おそらく脳がアンバランスなせいで、私は学徒出陣を前に海軍に希望入隊をしたのです。

南方前線行きは分かっていましたが、9週間の訓練を前に胸が高鳴っていました。新たな場所、経験、人、1943年呉海軍訓練所、基礎訓練では、多くのことを走りながら学びました。体格、足の速さ、強さが飛び抜けていなくても大丈夫、運動に必要なのは酸素とブドウ糖だということ、、、

酸素を取り込むために呼吸は荒くなります。筋肉に送られた酸素によりブドウ糖がエネルギーに代わります。これを好気呼吸と言います。

18歳での最大心拍数は毎分200回ほど、約18秒で7ℓの血液が胎内を巡る計算です。

それでも足りなくなると、酸素なしでブドウ糖を燃焼しエネルギーを生産するのです。

これで、しばらく持つのですが、乳酸という物質が生成され、筋繊維がちぎれる時の焼けつくような感覚をもたらします。体に悪いように思えますが、こうすることで、実はパワーアップできるのです。

タンパク質が筋繊維を修復しより太くします。炭水化物でブドウ糖を補えば、明日また同じように動けます。

私は人生最高の体形になりました。そして毎晩仲間たちと飲み明かしました。

18歳で完璧な体を手に入れると、ありがたみを忘れます。

肝臓が処理できるアルコールは1時間に1杯(150ml)程度です。

それ以上飲むと脳に回り、“ろれつ”が回らなくなるのです。

目がかすみ、判断力も鈍くなります。戦争に比べれば、喫煙は些細に思えますが、実は大ごとなのです。

タバコの煙は、4000もの有害物質を含み、肺の浄化を助ける線毛の機能を低下させます。

粘液や毒素がたまり、肺が詰まると、有害物質が血液に流れ込み、白血球数を上げなど、循環系に問題が発生するなど喫煙を長く続けることが命取りになる可能性は高いのです。私は、教官のお気に入りではなかったようですが、訓練終了の1週間前の私は戦闘マシンと化していたように覚えています。

しかし、どうゆうわけか、体調を壊した。

結核に罹っていたのだ。

私を含め数人が罹ってしまった。感染者との接触で、体内に潜入したウイルスは、私たちの細胞の中に入り込み、そして自分の複製を作り急速に数を増やす。

それが、ウイルスという菌のやり方です。

体を完全に乗っ取ってしまうのです。そこで、T細胞の出番だ、T細胞は乗っ取られた細胞を攻略して殺し、更には攻略法を記憶します。つまりウイルスごとの対処法を備えたT細胞が、私たちの護衛をしてくれるというわけです。

理論上は…

さて、喫煙のせいか運が悪かったのか、ウイルスが肺に入ってしまい私は気管支炎にもかかってしまったのです。

健康そのものから一気に重病人になったわけで、私は死ぬかと思った。軍もそう思ったのだろう!

小隊の仲間は皆、「赤城」に乗船して南方ミッドウェイに向って発ったのでした。

そして、私は健康上の理由で普通除隊となった。その5週間後、ミッドウェイに派兵された仲間たちは名誉の戦士をしました。

納得できなかった、正直言うと今でも…運よく生き残ったが、何をすべきが分からなかった。翌年、戦いは悲惨な結果で終わった。

戦後、日本は復興に向けて動き始めていた。人生を決める選択やチャンスが私に訪れようとしていた。

新たな未来への希望が広がる中、私はその一歩を踏み出した。思春期の頃には、心に抱く夢と希望を胸に、私は自分の道を切り開いていく決意を固めた。

戦後の混乱と困難を乗り越え、多くの人々が新しい生活を築くために努力しはじめていた。私もその一員として、家族や友人と共に支え合いながら、未来への道を歩んでいった。

時には挫折や困難に直面することもあったが、そのたびに立ち上がり、前に進む力を見つけた。人生の選択やチャンスは、私にとって新たな可能性を開く鍵となり、未来への希望を抱き続ける原動力となった。

戦後の日本が復興し、繁栄を取り戻す中で、私もまた自分の人生を築き上げていかなければと思い。思春期ということもあり、心に抱く夢と希望を胸に、私は自分の道を切り開いていく決意を固めたのであった。

戦争が私を大人にしたのかもしれない。そしていよいよ青年期を迎えることになる。

 

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