地球上にあふれる命”生命の誕生(前編)

2024新春特別企画

“地球上にあふれる命”生命の誕生(前編)★

地球上にあふれる命、夜空に瞬く星、恒星も惑星も動物も植物も元をたどれば同じ材料、原子で出来ています。

では、いったいどのようにして原子が生命を形作るようになったのでしょう。

生命は地球にしか存在しないのでしょうか。

今年は、事始めとして、生命の誕生を振り返りながら、認知症について考えてみました。

宇宙を創る物質は、同じルールによって存在しています。

宇宙は、わずかな種類の元素から成り立っているのです。

水素、ヘリウム、リチウム、炭素などその割合を変えると人間の体になることを知っていましたか?

他の生物もすべて割合が違うだけなのです。

銀河や恒星を作っているものと同じ物質が、地球では驚きの変化を遂げて、生き物になったのです。

自然の摂理に従って、成長し、子孫を残し、考える生き物に…人間は意識を持った小宇宙と言えます。

材料は同じですから、空で輝く星と自分がつながっているわけです。

それでは、生命の起源は、いつでしょう。。。。

これは地球が誕生するはるか以前のことなのです。

ビッグバンのあと、宇宙を満たしていたのは、大部分が水素から成るガスでした。やがて“ガス”が集まって、恒星が生まれます。

恒星が存在しなければ、惑星や人間の材料となる重い原子は生み出されませんでした。水素だけでは生命は作れません。より複雑な化合物が必要です。

生命の起源はビックバンの数億年後、恒星が生まれた時です。宇宙の初期に誕生した恒星の中心部では、超高温、超高圧の環境により、水素原子が核融合を起こしてヘリウムに代わり、エネルギーを放出、やがて水素が尽きるとヘリウム原子の核融合が始まり、炭素、窒素、酸素、そしてさらに重い原子が生まれます。太陽系や私たちの体を構成している様々な原子は、このようにして初期の恒星の中で、作られたのです。

これらの恒星は、やがて核融合の燃料がなくなると、死を迎えます。

超新星爆発です。

そして恒星の内部で作られた重い元素は宇宙に巻き散らかされました。

私たちの体を作る鉄もカルシウムも超新星爆発の産物なのです。

遥か昔に砕け散った星たちが、宇宙空間にこうした原子をばらまいたのです。

つまり、私たちの体は、いくつもの星のかけらで出来ています。

左手と右手は別の星のもので出来ているかもしれませんね!

炭素も窒素も酸素も鉄も恒星が作ったということです。

それらが地球にあるのは、爆発で宇宙に巻き散らかされたかけらが太陽系を形成したからです。

超新星爆発で拡散した原子は、ガスとなって漂い、新たな構成の材料となりました。そして、およそ46億年前、一つのガスの塊が、自らの重力によって収縮を始め、太陽が誕生します・

周囲に浮かんでいた塵の多くは、太陽に引き寄せられて消滅しましたが、残ったものは合体して彗星や小惑星や惑星となり、そして生命の基となったのです。

人間は言うなれば、石と同じで鉄や銅やマンガンで出来ています。

そうすると…自然の石は私たちの親戚のようなものですね?

超新星爆発がもたらした原子のお陰で、地球には石が出来、生命が誕生しました。

では、石と生命の決定的な違いは何でしょう!

生き物の基本的な要素は、3つあります。

1つは何らかの化学反応によって、代謝を行い、エネルギーを獲ること、2つ目は体の中の組織と外界とを隔てる膜や壁を持っていること、3つ目は自分自身の設計図を保存していることです。

これらの要素を備えたものが、生命の基本単位“細胞”です。

自分自身の設計図にあたるのは、DNAヌクレオチドと呼ばれる物質が連なってできています。

DNAは、たんぱく質を作る方法を記録しており、アミノ酸の分子からタンパク質を生成させます。さらに、細胞膜を形成するための脂質の作り方を細胞に伝えます。

細胞はこの3つの材料から成り立っているのです。

生命を作る材料はシンプルです。

20種のアミノ酸とDNAを構成するいくつかのヌクレオチドと、そして脂質。

この3つを合わせただけなのです。

では、それらの材料はどこで生まれたのでしょうか。

1950年代、科学者のスタンㇾ―・ミラー(Stanley Miller)博士がこれを確かめる実験をしました。

ミラー博士は初期の地球の大気を再現するため、フラスコを水蒸気と火山ガスで満たしました。

次にその中で火花を飛ばし、人工の雷を起こします。

実験で生じた異臭を放つ液体には、生命に必要な材料のひとつが含まれていました。

ミラー博士の実験で、生き物が生成するのと同じアミノ酸を作れることが判明されました。

それ以前は、有機物はその名の通り、生物の体内でのみ作られると考えられていましたが、生物がいない場所でも作られるということをミラー博士は証明したのです。アミノ酸は簡単に作れたのです。

それを知った科学者たちは、太陽系を形成したガスの中にアミノ酸が含まれていたのではないかと考えました。

もし、仮説が正しければ、太陽系の形成初期から存在している小惑星に当時のアミノ酸の分子があるかもしれないと、、、

その疑問に答えを出したのが、1969年9月28日オーストラリアのビクトリア州マーチソン村に落下した地球よりも古い隕石でした。

実際に手に取ると、隕石は揮発性の化学薬品のようなひどい匂いがするそうです。成分を分析してみると、タンパク質を構成する様々なアミノ酸が見つかりました。

隕石中には、ピペコリン酸といった生体内の有機酸やアラニン、グリシン、グルタミン酸などのタンパ

ク質を構成するアミノ酸が発見されたのです。隕石には細胞膜を形成する脂質の分子も含まれていて、驚いたことにDNAの主成分まであったのです。

生命の材料となる有機物を作れるのは、太陽系だけではありません。

2003年十数万年光年離れた銀河を観測していた赤外線宇宙望遠鏡(スピツァー望遠鏡)が高温の水素ガスの塊の中に有機物の特徴を示す光を捕らえました。

その中には地球の生命を構成するアミノ酸も含まれていました。

私たちは生命誕生の奇跡をよく話題にしますが、その材料は実にありふれたものです。

アミノ酸や複雑な有機物は宇宙空間に浮いているのです。

特に星が誕生している領域に多いです。

宇宙に漂う塵やマーチソン隕石の研究から、生命の材料が宇宙に存在することが分かりました。

地球が誕生したとき、それらは地球の一部として取り込まれます。

地殻が冷えた後も数百万年に渡って地球に降り注いだ隕石と共にやって来たでしょう。つまり、初期の地球には、生命を作る材料が充分にあったのです。

しかし、それらの物質を生命に変化させたのは…何だったのでしょう?

およそ40億年前、地球に海と陸地が形成されます。

月は現在よりずっと近い位置にあったため、激しい潮の満ち引きを起こしていました。

火山の噴煙が充満した大気は、焼けるように熱く、小惑星や彗星が絶えまなく地球に衝突したと考えられます。

当時の地球の大気には、全く酸素がなく、地球が形成された時の衝突エネルギーの名残で、大気の温度は非常に高温でした。

想像を絶するような環境です。

でも、地球の生命は、その極めて過酷な環境を乗り越えて誕生したのです。

生命は初期の地球でどのように発生したのか、地球上でも極めて過酷な環境で調査が行われています。

初期の地球には、まだ現在のような大陸はありませんでした。

火山島が連なっていたと言う方が正しいでしょう

満潮時には高い潮が陸に押し寄せ引いていきました。

その後には、温水の潮溜まりがいくつもあったと考えられています。

一説では、こうした潮溜まりで最初の生命が誕生したともいわれています。潮が引くと潮溜まりの水は蒸発します。

そして、水中の有機物が濃縮されて、合体した結果、生命が生まれたのです。アイスランドの地熱地帯では、それと同様のプロセスによって水中のミネラル分が濃縮され、白くなっています。

こういう潮溜まりの中で、濃縮された有機物のひとつで、生命の誕生を促したと考えられるのが、脂

質、つまり油の分子です。

脂質には優れた特徴があり互いに集まって一つになることです。

原始の海の中を、脂質の分子はバラバラに漂っていましたが、、、潮溜まりに閉じ込められたことで、集まって“泡”を形成しました。

これは、大きな一歩でした。生命に必要な細胞膜が誕生した瞬間です。

魚釣用の浮(うき)でその様子を見ることが出来ます。

浮は、一方の先端だけが水を弾く構造になっています。どんな向きに入れても、浮は自分で向きを変えみんな同じ向きに揃って浮んでいます。そして、集合します。

この浮のように脂質分子は水面に集まって薄い膜を形成したわけです。

そして波が陸に打ちつける度に、潮溜まりの中は油分を含んだ泡の膜で覆われていったのです。。。

ご存じの通り、火山性の石には、穴がいっぱい開いています。

脂質分子はこのような穴の中に入り込んで、泡の膜を作り出したのです。これが原始細胞なのです。

膜のカプセルを獲た原始細胞は、潮溜まりが蒸発するとともにアミノ酸やヌクレオチドなどの有機物を取り込んでいったと考えられています。

このシンプルな細胞が、タンパク質とDNAの始まりだったのかもしれませんね!

分子を濃縮するには最適の場だということです。

狭い水溜りの中に、一緒に閉じ込められたお陰で、分子同士がくっついたわけです。

しかし、潮溜まりでの生命の形成は、順調には進まなかったのではないでしょうか?

地表の環境は細胞が生き延びるには、過酷過ぎるからです。

当時の地球には、現在の一千倍にも達する太陽からの強い紫外線が降り注いでいました。そのため、潮溜まりでDNAが形成されたとしてもたちまち壊れていったと考えられるからです。

細胞が生き延びられるのは、有害な紫外線を浴びない場所が必要ですし、生きるためには安定したエネルギー源も必要です。

太陽の光でないとしたら、何からエネルギーを獲ったのでしょうか。

生命の基本単位は、細胞です。

その仕組みを工業都市を例にとって考えてみると、すごく分かりやすくなります。

細胞は都市を構成するいくつもの工場、原材料を取り込んでより複雑なものへと変え、生きるための物質を作るとイメージしてください。

都市と同じように、細胞にも作業を続けていくためのエネルギーが必要です。エネルギーの作り方と使い方に生命誕生のなぞが隠されていると考えている科学者もいるのですから!鍵は“エネルギー”ということになります。

人類の歴史を見ても、エネルギーは発展の原動力となってきました。

生命の進化を促すのもエネルギーなのです。

今日では、細胞の内部には、発電所のような機能が存在していることが分かってきました。細胞膜の外から物質を取り込んで、化学反応を起こすことで、生命活動に必要なエネルギーを作ることが出来るのです。一方、原始細胞は、化学反応を起こすほど複雑な仕組みをまだ持っていませんでした。しかも、地表は強烈な紫外線にさらされています。そこで登場したのが、生命は太陽光が届かない場所で誕生したのではないかという新たな仮説です。

1970年6月18日就役したNR-1原子力深海潜航艇をはじめ1989年には6500mまで潜れる有人潜水調査船「しんかい6500」などにより太平洋で深海探査が行われました。そして深海にある地殻の割れ目で、驚くべきものが発見されました。

それは、マグマに熱せられた高温の水を吹き出す煙突状の物体でした。

しかもその周りには、無数の生き物が生息していたのです。

この熱水噴出孔の驚くべき点は、生態系と呼べるものが周囲に形成され、生物が集まっていたことです。

太陽光が全く届かない、深海の底であるのにかかわらず。

それまで、生命には太陽エネルギーが必要だと考えられていましたが、ここで見つかった生物は、海底から吹き出す化学エネルギーで生きていました。

そこで、科学者たちは、生命はこのような場所から誕生したのではないかと考え始めたのです。ところが、吹き出していた熱水は、生命が生まれるには熱すぎたのです。

しかし、2000年に大西洋中央海嶺から西へ15キロほどの場所で、温度の低い熱水噴出孔が見されました。

そこから噴き出していたのは、強いアルカリ性の温水でした。

その噴出孔からは、アルカリ性でミネラルを豊富に含む温水が噴き出ていました。それが、周囲の冷たい海水に触れると化学反応が起こり、その時に出来た沈殿物が積もってチムニーと呼ばれる煙突状のものを形成していました。

噴出孔チムニー内部の温度は、有機分子が結合して、より複雑な構造になる場として、相応しいものでした。

しかも、このチムニーには単なる物質を生命に変えるのに必要なエネルギーも備わっていたのです。

ESA欧州宇宙機構とNASAでは、ガリレオ衛星の調査からエウロパにも海底熱水噴出孔が存在していると考え、チムニーの再現に取り組んでいます。まず、太古の地球の海に似せた鉄分が溶け込んだ液体にアルカリ溶液を入れます。すると二つの溶液が反応してできた物資が沈殿してチムニーが出来てきます。

チムニーがフラスコの中で成長していきます。アルカリ性のチムニーは、周りの酸性の水と化学反応を起こし、生成されたエネルギーを内部へ取り込みます。

これは、現在、生物の細胞内で行われているプロセスと非常によく似ているのです。この熱水噴出孔と細胞との共通点は、それだけではありません。

興味深い発見は、チムニーの内部には、上から下まで何本も溝が走っていて、そこに空いている穴や窪みは、細胞とほぼ同じ大きさだったのです。

初期の地球に於いて、この小さな窪みが生命の3つの材料を一つにする役割を果たしたのかもしれません。そのシナリオは、チムニーの壁から絶えず取り込まれる化学エネルギーが、窪みに存在する原始細胞の代謝を促します。

そして数百万年後、原始細胞は自らエネルギーを作れるまで進化し、窪みの外へと飛び出したのです。

物質が生命になった瞬間です。

私の考えでは、この生命の誕生に、実は、認知症の原因である細胞死とも深い関わりがあるのではないかと、、、?

アセチルコリンは、世界で最初に神経伝達物質の一つであることが証明された物質です。アセチルコリンには、ニコチン作用とムスカリン作用が存在することが古くから知られており、各々に特異的なアセチルコリン受容体(ニコチン受容体とムスカリン受容体)が同定されています。

副交感神経や運動神経の末端から分泌されたアセチルコリンは、骨格筋、内臓平滑筋などに存在するアセチルコリン受容体に働き、筋収縮を促進するほか、副交感神経を刺激し、心拍数の減少、脈拍数の減少、唾液の分泌を促進します。このようにアセチルコリンは、基本的な生命現象に深く関与しています。

特に、脳内のアセチルコリンのバランスが崩れるとさまざまな疾患が生じます。例えば、アセチルコリンが減少すると自律神経失調症やアルツハイマー病につながると言われています。

この認知症の原因に関係するアセチルコリンが、生命誕生に深くかかわっているだけでなく、生命活動や生命死にも関わっていることは明らかで、そのアセチルコリンは、この宇宙から隕石に乗ってやって来たというパンスペルミア説があるのです。

後編は、41億年前に起きた小惑星が次々に地球に衝突した後期重爆撃によって他の天体で誕生した生命、バクテリアが隕石に乗って地球に運ばれてきたという生命誕生のパンスペルミア説と神経伝達物質アセチルコリンの誕生のお話をします。


これは私の考えですが、だとすると私たちこそ地球外生物の末えいということになるかもしれませんね、、、?

地球外生物の難病の一つ、パーキンソン病の患者では、ドパミンが減少してアセチルコリンの相対的な増加が認められています。

アセチルコリンがムスカリン受容体に結合するのをブロックすることで、パーキンソン病の症状を緩和することも知られているので、古くから治療薬として使われています。

アセチルコリンは一方で、副作用として統合失調症や認知症の症状を悪化させることも知られているのです。

パーキンソン病やアルツハイマー病は、神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの脳内バランスが崩れることで発症してくるという訳ですね。

これらの解決策や治療法は、、、宇宙医学の研究によって、隕石からみつかるかもしれませんね!

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