遥か昔、感染症が発生した時は、予防策のワクチン治療薬など何もない状態でした。
新型コロナのような呼吸器系の感染症で、最も有効な対処療法は隔離することだけでした。
新型コロナウィルスなどは数ヶ国の地域をまたいで広がっていくと感染経路が不明となっていきます。
そうなると人から人への感染を食い止めるために、政府は人々の封じ込めを余儀なくされるのです。これが、緊急事態宣言となる訳ですね。
ウィルスが嫌うのは何より封鎖“ロックダウン”ですから・・・覚えていると思いますが、中国の武漢市で行われた都市封鎖は、中国の長い歴史の中で培われてきた予防方法だということです。
Stay home、その結果は、一目瞭然、非常にうまく機能したということです。外出さえ禁じる厳しいものでした。
ウィルスは人から人へ移る訳ですから、人同士が離れていれば、ウィルスは自分では移動できないのですから・・・これが感染症対策の基本なのです。
武漢での封鎖は必然だったということですね。
しかし、私達のような国では、都市封鎖は過酷な自由侵害だと捉えられてしまいます。
強要することは、不可能に近いということです。そして、新たなウィルスが生まれ、封鎖、緩和、再感染、再び封鎖、この繰り返しになってしまうのです。
今は、リバンドの怖さが忍び寄ってきている訳です。
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その結果、人々の心には大きな負担がのしかかります。封鎖中、アルコール消毒量が劇的に増加していましたし、自殺願望を持つ人や自傷行為をする人も増えただけでなく、うつになる人や、認知症患者数も劇的に増えたのです。
財政状況も間違いなく悪化し、世界中の教育制度も変化しました。
Web会議やWeb授業が当たり前になりSociety5.0が、計画とは違う意味でスタートしはじめ、デジタル世界がAIを中心に回り始め出したのです。
しかし、多くの人々は、接する機会を失いつつあり、団欒や会合が無くなり、恋愛関係も・・・心に不安を抱えて生きるようになり、生態系全体で見ても何もかもが不安定になってきているように感じます。
COVID-19新型コロナウィルスは、スパイクタンパク質で細胞に結合します。
付着できるのは、限られた箇所で、ACE2受容体と呼ばれている細胞に…そして、その受容体があるのは、全身どこでもではなく主に、鼻、肺、心臓、血管、腎臓、肝臓、消化管なのです。
ウィルスは、受容体を探し当て細胞に侵入し、それから増殖を始めます。
まず粒子が、宿主細胞に結合し、そこに悪い情報を流し込みます。そうして乗取った細胞で、新しいウィルスを生成し、新たな感染サイクルを構築して新しい粒子を大量に作り放出していくわけです。
この光景は通常の実験で簡単に見られます。ウィルスは細胞に侵入し、何千万もの粒子を生成して放出します。それは12時間で起きてしまうのです。
しかし、COVID-19新型コロナウィルスにも・・・生来の弱点がありました。
エンベロープウィルスと呼ばれ、脂質(脂溶性)の膜で覆われているのです。実はこれは朗報とも言っていいです。脂質の膜があるウィルスは、比較的もろいからです。
ウィルスには、エンベロープ(envelope)と呼ばれる脂質の膜(外膜)を持つものと持たないものがあるのです。
エンベロープの有無が消毒薬に対する抵抗性に大きく関与しているからです。
COVID-19新型コロナウィルスやインフルエンザウイルスなどはエンベロープを有するウィルスは、おおむね消毒薬の感受性が良好なので、消毒することで破壊させられます。
一方で、ノロウイルスの様なエンベロープを有しないウィルスは消毒薬に対して抵抗性が高いため、消毒薬だけでは破壊させることができないことは知られています。
だから石鹸で手を洗えば、エンベロープを溶かしてウィルスを破壊できます。
石鹸での手洗いは、科学的にも正しい習慣です。
日本がヨーロッパのように広がらないのも、この手洗いの習慣が比較的、幼児期から有るからあるからでしょう。
勿論、手を洗う水の品質も、日本が世界に類を見ないほど良いという結果にも・・・あるかもしれません。
2003年のSARS流行時は、発症後7日目辺りが症状や感染力のピークでした。
初期には、感染力が無いように見え、肺の深部まで入り込み症状が悪化すると、他人にうつすようになりました。
COVID-19新型コロナウィルスは、、それとは正反対なのです…だからこそ非常に厄介でもある訳です。
原因はウィルス量になります。
COVID-19新型コロナウィルスは、、ウィルス量の増加が急速で、発症直前の3~5日間がピークになり、その後、減少していきます。
つまり、症状が出る前か・・・出始めた頃が、ウィルスを“ばらまき”人にうつす可能性が最も高いということです。その点が感染拡大の抑制を非常に難しくしている訳でもあります。感染に気づかず、拡散してしまうからです。
しかも、COVID-19新型コロナウィルスは、吸い込んだウィルスが微量でも発症に繋がってしまうので、浴びた飛沫が多いほど症状は悪化してしまうのです。
COVID-19新型コロナウィルスは、要領がいいのです。
驚くべき量のウィルスを鼻の奥で複製し、かなりの量に増殖させます。
たとえば、インフルエンザの場合は、飛沫1つのウィルス量は1万から5万個です。
COVID-19新型コロナウィルスでは、何十億個も含まれているのです。
しかも、そのうちの0.001%でも感染には事足りる量なのです。つまり、1人にうつせば世界中に広がるということです。
COVID-19新型コロナウィルスの感染力が最も高いのは、何の症状もなく感染に気づいていない時です。
なんて賢いのでしょう!
ソーシャルディスタンスやフィジカルディスタンスは、その場しのぎです。
そこで注目されたのが病院の愛用品・・・
マスクでした。
マスクが感染予防に役立つのは明らかで、理に叶っています。
マスクにより、口や鼻から出る飛沫が効果的に遮断され、飛び散るのを防ぐからです。
飛沫を押し留められるということです。
顔にぴったり合うマスク程、効果的に機能します。
しかし、マスクの有効性については、意見は様々です。咳をするときに口を覆うのは常識なのに・・・去年の最初の頃はマスクをせず無防備の状態でした。
マスクの効果に確証がなかったからです。
もし、マスクに近いものを使っていたら、せめてタオルやハンカチーフを当てていたら、かなり違っていたはずですし、世界中の感染も抑えられたでしょう!
COVID-19新型コロナウィルス発生当時は知性と怒りが入り乱れマスク論争は加熱したのですが、1匹のハムスターが証拠を示してくれました。
2つのゲージにハムスターを入れて、一方をウィルスに感染させ、もう一方は感染させなかったのです。
そして、ウィルスが伝染するようにゲージ間に風を起こして、まずは無防備な状態で風邪を送りました。
すると、感染したハムスターから、66.7%のハムスターが感染しました。
次にゲージ間に感染したハムスター側にマスクを配置したところ、その効果でウィルス感染率は16.7%まで下がったのです。
そして、マスクを逆に未感染のハムスター側に配置したところ感染率は33.3~25%でした。
結果、感染側が装着した時ほどではありませんが、予防効果があったということです。
では、両方が装着したら・・・相乗効果により感染リスクは1%になったのです。
つまり、こうすることで感染の流れを断ち切れることが分かってきたのです。
あと、もう1点マスクをしたうえで、感染したハムスターは・・・マスク成して感染したハムスターより軽症だったのです。
これで明らかに分かったことは、運ばれるウィルス量が多いほど症状は重くなるということです。
だが、マスク装着という対策には、今も世界で賛否両論があるのです。
着けるべきか否かは、それこそ利他的か利己的かが問われる世界平和への貢献に掛かっていますね!
さて、COVID-19新型コロナウィルスの発生源を解明するため中国湖北省武漢市を訪れた世界保健機関(WHO)の国際調査団は近く最終報告書を公表するそうです。
報告書では「ウィルスは動物を仲介し、人間に感染した可能性が高い」と結論付けたと報じています。
調査団はコウモリなどウィルスをもともと保有していた可能性がある動物から人間に直接感染した可能性も指摘しているのですが、これまで分かっていることは、COVID-19新型コロナウィルスは、コウモリの個体群から見つかったということです。
つまり、COVID-19新型コロナウィルスは、自然界の由来のウィルスだということです。
確かに2019年の12月、中国の武漢で最初に見つかりましたが、その以前に発生していたということです。
COVID-19新型コロナウィルスがどのようにコウモリから人間界に移り、どのようにして武漢や武漢の周辺の人たちのところに来たのか・・・まだ分かっていないのです。
つまり、ほかの動物種も、この感染に関与しているに違いないと考えられているのです。
COVID-19新型コロナウィルスがコウモリから人間に直接感染した可能性も否定は出来ませんが、それは極めて低いと言えるのです。
そこで、WHOの調査団は、別の動物を仲介して人間に感染した可能性を最も重視し、最初に多数の感染者が判明した武漢市の卸売市場で売られていた食肉などに加工された動物(猪・鹿・狸・ワニ・リス・針鼠)がウィルスを仲介した可能性が高いとして、「中国や近隣国での広範囲な調査をさらに行う必要がある」と野生動物由来を有力説としています。
正確に言うと、野生動物を食べてしまったために、元々人間界にあまり接触しなかった病原体が人間に移ってしまい、感染症となってしまったということ・・・です。
発生源の調査に関しては、とても時間が掛かるでしょう・・・なぜならばMERSの発生源を特定した際には、ラクダと人間の症状を結びつけるだけで1年かかっています。
また、SARSについてはコウモリの役割とウィルスの起源を紐解き中間的な動物種の役割を理解するまでに5年もかかっているのです。
ですから、COVID-19新型コロナウィルスの発生源を特定するのには、数年はかかるということになりそうです。
資料提供:A+E Network ASIA