時間とは、数千年の出来事が一本の線のように連なったものと考えがちですが、見方を変えると、線ではなく無限に広がるネットワーク(網目)の中で、遥か昔から私達を取り囲んで全ての出来事が複雑に絡み合っているのではないでしょうか…
簡単に言えば、煩悩という…「三毒」「三垢 (さんく)」「三不善根」などの貪 (とん)(執着)・瞋 (じん)(憎悪)・痴 (ち)(無知)に、慢 (まん)(慢心)・疑〔 (ぎ)、仏教の教えに対する疑い〕・見〔 (けん)、誤った見解〕を加えて六煩悩というやつが、取り囲んで複雑に絡み合っているのではないでしょうか…“除夜”…私は、そこにあるのは、宇宙!惑星!そして生命だと思っています。
いま、除夜の鐘を聞きながら、新年の時間の見え方が大きく変化しているのが分かります。
2021年は、時間の捉え方を、宇宙全体!太陽系全体!地球全体!として永遠と続く一つの大きなものとして捉えてみましょう。
除夜の鐘と共に開ける元旦、私達の生きている時間を、地球や太陽系や宇宙と関連させて考えてみました。
地球は、第1章でお話ししたように、数々な幸運が重なって誕生したわけです。
いくつもの幸運なポイントを迎えて、私達がいる訳です。
時間を遡って、少し考えてみてください、初期の宇宙は、あらゆる点において非常に単純でした。恒星も生物も惑星も…何もない無の世界でした。
そして、130億年という途方もない年数をかけて、徐々に新しいものが現れてきたのです。
そう考えると、時間の全体像や展開が見えて来ませんか?
注目すべきは、非常に重要なものが現れた“瞬間”です。
その数々の瞬間をターニングポイントとします。
時間には、いくつかのターニングポイントがありますが、ある大きな一線があるのです。
そうです、時間は今のところ…前に進む一方で戻ることが出来ないということです。
では、唯一、過去の出来事を使ってターニングポイントを、順に見直してみましょう!
その為には始まりに戻らなくてはなりません!
最初のターニングポイントは、それは140億年近く前です。
そのわずか一瞬の出来事全てが、少しも狂いもなく展開しなければ、宇宙は生まれて間もなく終わっていたかもしれないのです。
始めに究極の静寂が有りました…
だが、突然、何もないところからすべてが始まったのです。
ビックバン(BIGBANG)です。
一瞬にして、全てのエネルギーが、信じられないほどの勢いで発生し、時間をつくり出したのです。
その瞬間に全てが始まりました。
そのビックバンがあったことで、それ以降のあらゆる事象を説明できるのです。
最初の1秒が経過する前に、全てを永遠に支配する基本的な力が現われたのです。
1つは、私達を地面に引き寄せる、“重力”
1つは、電気や磁気の“電磁気力”
ビックバンという宇宙最初の大爆発で、基本原則が定められたのです。
この基本原則とは、つまり、重力の強さや光の速度、そして、時間なのです。
その後の宇宙の歴史を形作る原則のことでもあるのです。
その最初の数秒で、道は違っていたかもしれません…
重力がほんの少し強ければ、全ての存在が崩壊していただろうし、ほんの少し弱ければ、恒星は誕生できなかったでしょう。
だが、ビックバンは、適度な重力を発生させ、時間を動き出させました。
そして、私達に繋がる扉を開けたのです。初日の出が拝めるのもビックバンのお陰ですね!