非常に高温で暗く無秩序だった初期の宇宙から、突然、何兆個の星が生まれ瞬間です。
ビックバンは…適度な加減で爆発し、重力や時間を生み出しました。
しかし、物質を作るには高温すぎたので、宇宙の誕生から38万年後のある時点まで、宇宙の温度が、下がりませんでした。
しかし、突然、下がり始め物質が誕生したのです。
宇宙の温度が下がらなければ、私達も他の物体も、存在することは出来なかったでしょう!
最初に生まれたのは、最も基本的な元素である水素とヘリウムの原子です。
しかし、その誕生は、ターニングポイントではないのです。水素とヘリウムは、構成要素にすぎなかったからです。
どんな物質の間にも引力が働くため、水素とヘリウムの元素が引き寄せられて、巨大な雲を作り現在の宇宙へと変わり始めたのです。
いわば、重力は宇宙の彫刻家ですね!
重力によって初期の宇宙に密度の高い部分が出来、宇宙の大規模構造の形成へとつながりました。
銀河群…銀河団…超銀河団を…
巨大な空洞の中に、皆さんが見上げる宇宙が形成されてきたのです。
これこそ、ターニングポイントが作ったマクロエンジニアリングという宇宙創造の大規模構築プロジェクトではないでしょうか。
その大規模構造の中で、水素とヘリウムからなる何兆もの小さな雲の集まりが、水素がヘリウムより軽いために徐々に回転を始めます。
それらの雲の群衆が重力によって、衝突しながら凝縮していくと、雲の中心部の温度が上昇して密度が高まり、そして、巨大な雲の中心が、およそ1千万度という温度に達すると、核融合反応が起きるのです。
こうした条件のもとで、臨界量の原子が集まり温度と圧力が高まると…恒星の誕生です。
その瞬間まで、宇宙には光を発生するものは1つも有りませんでした。
何もない宇宙に光輝く星の誕生です。
これこそが…本当の意味で“明けましておめでとう”かも知れませんね!
恒星が生まれる前、宇宙のエネルギー源は、ビックバンしかなかったのですが、ようやくエネルギーや熱や密度の高い場所が宇宙全体に散らばり、暗闇の宇宙に第一世代の恒星が、初めて宇宙を明るい光で照らした瞬間でした。
しかし、そのエネルギーは徐々に減少して、燃え尽きてしまったのです。
これが、第一世代の恒星の死です。
私達が生まれてくるために必要不可欠な、複雑な元素の合成へと進むための“死”でもあったのです。
http://www.gregorius.jp/presentation/page_71.html
恒星進化論(星の一生)
死を迎えた恒星の中心部では、単純な元素が融合し、より大きく複雑な原子へと変わります。
水素とヘリウムから、新たな元素が生まれ、現在の宇宙に近づいてきたわけです。
恒星の中心で水素が足りなくなると、温度がどんどん上がり、ヘリウムがより複雑な元素へと変わり始めます。
皆さんが知っている周期表にある元素が次々と合成されてくるのです。
命を終える恒星の一つひとつが、元素の製造工場となり、元素の生成に最適な環境を作りだしたのです。
それにより、宇宙は変化していきました。
つまり、恒星は核融合反応で合成され元素を、次の燃料として使うわけです。
水素HからヘリウムHeへ…ヘリウムから炭素Cと酸素Oへ…炭素と酸素からネオンNeとマグネシュームMgへ…さらにケイ素SiとイオウSが…そして鉄Feへと生成されていったのです。
120億年以上前に、恒星が生み出した元素により、私達の誕生に至る全ての出来事が実現可能段階に入ったということです。
しかし、死にかけている恒星には鉄より重い元素を生成するエネルギーが無かったので、死をもって超新星爆発を起こす必要があったのです。
その結果、高温、高圧状態が生み出され、鉄より重い元素が構成され、やがて金Auが生成されました。
そのためには、超新星爆発の残骸である中性子星同士の衝突による爆発も必要になります。
衝突で生成された新しい元素が宇宙に噴き出すと、第二世代の恒星をつくり出す雲となったのです。
この過程が繰り返され、さらに多くの元素が生まれ私達が生まれてきたのです。
基本的には元素の周期表をたどっていくと、合成された順番や合成することの難しさ、合成にどれほど多くのエネルギーが必要か、なども分かります。
私達もどれほど複雑な元素の合成から出来ていることに驚かされます。
また、元素には、豊富にあるものと希少なものがあります。その量が、私の誕生への時間に大きな影響を与えることにもなったのです。
例えば、私達に必要な金の合成には多くのエネルギーが必要で、金が合成されるような事象は奇跡的な出来事でもあるからです。
寿命を終える恒星から、鉄、ニッケル、カルシュームなど、地球のような岩石惑星を作る物質が充分に合成されるまでにも、計り知れない時間を掛けなければならなかったのです。
恒星の誕生から数世代は、地球のような惑星も生命も存在することは出来ませんでした。
しかし、ビックバンから数十億年後、より新しい世代の恒星が現われたのです。
私達の初日の出“太陽”です。