私たちの気づかないうちに、一つの革命が進んでいます。
身近な存在になってきた人工知能、今や彼らは自力で物を考え、体を作り、動かし方を学ぼうとしています。人工知能の進化は、人類を追い越すのでしょうか、それとも人は機械と同化するのでしょうか。
人類と人工知能の未来を考えてみましょう!
そして、鉄腕アトムに介護ができるかと問われたのです。
とても難しい質問ですが、改めて考えてみることにしました。
まず、私たち人類は、優れた知能と適応能力を活かし、世界を作り変えて進化の頂点にいるのだと思いがちです。しかし、歴史から言って、原人と同じようにいつかは頂点から退くのは時間の問題でしょう!
新たな頂点に立つのは、人工知能を持つロボットかもしれません!
人工知能は、今、自ら学ぶ力を得ようとしています。これが人類の未来なのでしょうか?
バランスのいい飛行機で、多摩川土手で手を離してもひとりでに真っすぐ飛んだものでした。
友達は興味なさそうでしたが、私はふと考えました。
いつか自力で動く機械ができたら、人はいらなくなってしまうのではないか…と!もしも、人工知能を持つロボットが人類の進化系になるとしたら、彼らは体の動かし方を、自力で学ばなくては行けないのではないかと…それが人類な成し遂げた最大の偉業だからです。
私たちの脳は、なんのため進化したのでしょう!
身の回りの世界をよく知るためだと多くの知識人は言いますが、それは大きな間違いかもしれませんね!
人の脳は、臨機応変に複雑な動きをするために生まれたのではないでしょうか?
それが人や環境と関わる唯一の方法だと思うからです。
人類の知能は、環境に応じてうまく動きたいという欲求から生まれてきているのではないでしょうか?
二本の足で歩き、会話をし、顔の動きで感情を伝え、手足を操る能力、その力で食物連鎖の頂点に立ったのです。
こうした能力があってこそ、知覚や感情や思考がいきてくるのです。
記憶、知識、愛情、恐怖、全ては動作と結びついているわけです。
人間の複雑な動きは、どんな機械にも真似できません。
人工知能を持つロボットや鉄腕アトムが野球をしているところを想像してみてください!
バットに球を当てるという…何気ない動作も脳の中では驚くほど複雑な計算が行われているのです。
投手の投げたボールを目で追い、どこで…どれだけ曲がるかを予測し、それをどう打つか決め、最終的には600もの筋肉を収縮させて…ボールを打つのです。
現在のロボットは、こうした複雑な計算を重ねた工程を再現出来ません!
人にとっては自然なことでも、ロボットになかなかできないこと…それは、不確かさへの対処です。
ボールは毎回、違った軌道を描いて飛んできます。打者はその都度、スイングを調整しなくては行けません。
人の脳は、どうやって不確かさに対処しているのでしょう。
ベイズ推定と言われる方法が使われていると言われています。
打者はボールがどこで曲がるかを見極めて、正しい打ち方をしなくては行けません。
そのためにベイズ推定を使います。
二つの異なる情報源をもとに、一番曲がるであろう、ところを特定する方法です。
まず、機械学習を使って解きたい問題や実現したいサービスを定義してみます。
データはあるんだけど何をして良いかわからない、という場合もあるかもしれませんが、そういうときでもとりあえず何かしらの目標を仮置きしてみるのが良いかと思います。基本的に機械学習でできることは「見えない情報の予測」であると考えればアイデアが発想しやすいかもしれません。
ここでは、情報源の一つは、目でみるボールの行方です。
その行方を予測、画像や音声で判別、欠損データの補間、異常値の特定など、これらはすべて未知の事象に対する予測問題として定義することができます。
打者は飛んでくるボールの軌道を見て、どこで、球が曲がるか予測します。
でも、それだけでは完璧と言えません。
視覚のプロセスは精度が低いので、そこで、もう一つの情報源が登場します。
予備知識です。
優秀な打者は投手の動きをしっかり見た上で、相手の投球スタイルや細かい癖などから、曲がる場所を予測します。
ベイズ推定は、この二つを重ね合わせる予測方法です。
課題が決まれば、次第に必要なデータは明らかになってきます。例えば、次のボールの曲がり方を予測したいのであれば、過去のこの選手が投げたボールのデータに加え、その日の天気や風向き、投手の身体状況や体格なども予測に役に立つでしょう。
また、データそのものの収集に伴って、データに関する周辺的な法則や物理的な制約などの知識も色々仕入れておけば、後のモデル構築で段階に役立てられる可能性が高いのです。
また、集めたデータの形式や粒度がバラバラだったりする場合は、この時点で揃えておくのが良いかもしれませんね!
こうした計算は、脳内で自然に行われています。
優れた予測の力を持つ人類は、道具を使う史上最強のハンターとなりました。
人よりも早く正確に動くロボットはありますが、彼らは決まった動作しかできません。
ロボットが進化するには、自ら動くすべを見つけなければならないのです。
それができれば複雑な頭脳を持てるようになるのでしょうか?
知能の発達には、世界と物理的に関わらせることが大事なのです。脳だけ作っても意味がありません。
自力で学ぶ機械を作ること…最初はコンピュータの中で、自力で学ぶ人工知能を進化させます。
まず、コンピュータの中で、人工知能を持ったロボットで試していきます。
様々なボディパターンを作り、様々な歩き方をさせてみるのです。例えば、二本足のロボットを想定すると、このロボットを歩かせるためシュミレーションプログラムを使って、最適な足の動かし方を探るのです。その結果、コンピュータは人の二足歩行とは違う歩行方法を提案してきます。
https://wired.jp/2018/02/13/spotmini-robot-open-a-door/?utm_source=antenna
シュミレーションの結果が人の歩き方に似たものになることはありますが、時にコンピュータは奇想天外な方法を思いつくのです。
母なる自然が、進化の過程で相応しいものだけを生き残してきたように、このプログラムもうまく歩けるプログラムだけを選び出します。
コンピュータは比較的うまく歩けるロボット達を選んで、コピーし、改良を加えます。
それらをまた歩かせて、うまくいかない個体を排除していくのです。
歩かせては選び、歩かせては選ぶ、これを何度も繰り返して、やがてコンピュータの画面の端から端まで歩けるロボットが現れるのです。
数百万年に渡る進化を、コンピュータは数時間でやってのけます。
一晩で何千回ものテストを行い、目標通りのロボットを人工知能は作り出すのです。
興味深い結果が出ると、初めてロボットの製作にはいります。
シュミレーションで生まれた歩き方が、現実に通用するか確かめるのです。
あらかじめ決められた動きを華麗にこなすロボットはたくさんあります。
でも、未知の環境でゼロから動き方を学ぶ初めてのロボットです。
赤ん坊のように進歩を感じながら、歩いたり転んだりして自分の体を知っていきます。
https://wired.jp/2018/05/25/shape-shifting-robot-dyret/
自分について知ること、それが意識の始まりだと私は考えているのです。
介護を行う人工知能を考える時、この意識のプログラムが必要になるからです。
意識がある、意識がないという区別は、はっきりしているものではありません。
自分の姿を思い描き、シュミレーションを行い、自分とは何かを考え、自我に目覚める…の度合いの問題ではないでしょうか。
複雑な計算や動きを学んでいく間に、人工知能は人と同等か、それ以上の意識を形成していくかもしれません。
でも、人工知能が意識を持つために、欠かせないものは、感情だという研究者もいます。機械学習アルゴリズムを使ってヒトの脳の記憶の仕組みを理解する方法を、ペンシルヴェニア大学の研究者らが発表しました。
しかも、完璧なタイミングで脳に刺激を与えることで記憶力をリアルタイムで向上させることにも成功したというのです。いったいどのような研究なのでしょうか。
詳しくは、http://news.livedoor.com/article/detail/14287907/でご覧ください!
さて、脳のペースメーカに関しては、今後が楽しみですが、介護への人工知能への応用は、意識と関係してくるのです。
では、意識とは何でしょうか?様々な答えがあります。
でも私たちの意識が、動物や人工知能と違うレベルにあることは、間違いありません。
では、人工知能には何が足りないのでしょうか?理性だけでなく、感情も必要なのでしょうか?
鉄腕アトムや介護ロボットが意識を持つには感情が必要なのではないでしょうか!
幼い頃、意識について考え始めたときから、私は信念を持っていました。それは今でも変わりません。
五歳の頃、父と母と一緒に東横線の自由が丘駅のホームに立って電車を待っている時、私は突然自分がホームに立っていることの不思議さに気づいたことを今でも鮮明に覚えています。
私はどうして私なのか?なんで周りの人とは違うのか?どうやって自分の中に入ったのか?
人が自分の中に、自分の存在を意識するのは、周りの物事に感情が反応するからだと私は思っています。意識を織り成す神経は、脳の中で活動していますが、私たちは普段そのことに気づきません。
https://junk2004.exblog.jp/26745773/
たとえば指が傷つくと、指が痛くなるように思いますが、本当の痛みは脳の中で感じています。だから、それが意識なのだと…周りの環境や世界を体験すること、それは脳にとって感覚器からもたらされる電気信号でしかないのです。
しかし、私達はこれらの信号を感情と結びつけ、印象として処理しています。心地よい音、穏やかな景色、意識とは感情を詰め込んだ印象の集合体なのではないでしょうか?
意識を持った人工知能には、センサーからのデータを感情と結びつける力がなくてはいけないのではないでしょうか?
そこで、人工知能に関連づける神経回路を持たすことを試みました。人と似たプロセスで学習させます。
人は何かを見聞きすると、それらを関連づけて覚えるので、別のものに出会った時も、記憶を呼び出すこともできるのです。
いま、私が開発している介護用人工知能(KCiS-AI)で行なっているのは、IoTセンサーを用いて、人と同じように触覚、視覚、聴覚を通じて身の回りのことを知ります。
感情との関連づけを覚えさせるため、好き嫌いを覚えさせることにしました。
例えば、赤のシグナルを示して、それを回避する感情と結びつけるため特定のキー(dis)をタップします。
これは、連想学習方法で、小さい子供のしつけに似ています。
接近と回避の区別を教え込むことで、心地よいと不快を同じように学習させて行くことができます。
赤のシグナルは回避と言う感情と結びつけられました。
人工知能は赤のシグナルを避けるようになりますが、辛いことばかりではありません。次に青のシグナルを喜びと関連づけ接近を許可します。
青のシグナルに良い印象を持たせるため、特定のキー(like)をタップします。
シンプルな実験ですが、介護用人工知能は特定なものに対して特定な印象を持つことができるようになってきます。
これが感情かはわかりませんが、基本は学べたように感じます。
回避と接近という欲求です。進化すればもっと多くの印象を持つことになるでしょう!
新しい状況にも、ひとりでに反応し、身の回りの全てを感情で判断するようになるでしょう!介護用人工知能や感情を持った鉄腕アトムが誕生する日はそう遠くないかも知れませんね!
今後は、私はなぜ私なのか、そういう疑問を持つ人工知能が進化の過程で現れてくるかもしれません…しかし、自我を持つ人工知能は私たちが気づかない事までも意識するようになるかもしれませんね!
これが「きづき」…介護で言う気付きとして「介護における人工知能」の意識や感情と進化していくのも遠くないでしょう。