Science Park~地球の生物は周囲の環境を変えながら生きている~

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~地球の生物は周囲の環境を変えながら生きている~

珊瑚礁から山の頂上まで、地球のあらゆる場所に様々な生物が生息しています。

私たちの地球をかたち作ったのは、私たち生物だということです。

陸も、空も、川も、岩も生物が作り上げたというと違和感を覚えますか。

しかも、作り上げたものを、いとも簡単に生物は、破壊してしまうのです。だからこそ生物は、とても不思議で、恐ろしいのです。

アルツハイマー病も生物だからこそ発生、成長、破壊によって惹き起こされるのです。

ところで、地衣類(Lichen)をご存知ですか、とても素晴らしい生物です。

地球上のあらゆる場所に生息しています。

地球の陸地のおおよそ8%を覆っていて、生えている岩の形を変えるパワーがあるのです。

地衣類は、子襄菌類で成長するに従って岩をも砕いてしまいます。

でも破壊するだけでなく、新たな土地の形成にも貢献しています。

地衣類などの生物は、長い年月をかけて岩をくだいていきます。

この時、発生するのが、大量の細かい破片、その破片が海へと流されて、水を堰き止めるのです。

すると水は、徐々に地球の内部へと染み込んでいき、マントルの溶岩石を冷やし硬化させていきます。こうしてマグマが発生し、ついには噴火が起こるのです。

そして何より凄いのは、その噴火によって新たな陸地が作られるということです。

生物が陸地作りを手助けしているわけです。生物がいなければ地球に七つの大陸は存在しなかったでしょう。

生物は地球の陸地を作る手助けをしました。ただし、もちろん一夜で出来たわけではありません。

生物は地球を変化させます。

地衣類のような単純な生物から、私たち人類のような複雑な生物まで、どんなものであれ、生きているものであれば、これからも地球を変化させて行くことでしょう!

ゆっくりと時間をかけてね!

生物は何十億年もかけて、岩の塊りを今の地球に変えました。

しかし、地球の環境は良くなる一方だったわけではありません。中には、背筋が凍る出来事もありました。

私は、南の島が大好きです。気持ちよい海風と砂の感触を楽しみます。

でも、知っていましたか?ビーチの砂の正体を、実は殆どが魚の排泄物なのです。

ここは、モルティブのバア環礁です。私の大好きな島です。

このバア環礁に、ブダイが生息しています。

ブダイ は世界中の珊瑚礁にいます。珊瑚礁を泳ぎ、珊瑚をかじりとって食べるのです。

栄養分を摂取したら、残りは砂として排泄します。

1匹のブダイが排泄する量は、1年間で1トン近くに登るとも言われます。

驚きですね!ビーチの砂の成分からは、ブダイの排泄物の成分と同じものが見つかります。

砂の7割以上をブダイの排泄物が占める島もあります。

ブダイは砂の形成に欠かせない存在なのです。

それだけではありません。

ブダイが作った新たな砂浜に、様々な生き物が定着して、やがて安定した島ができるのです。

生き物の力には驚かされますね!

魚たちの排泄物から、一つの島ができるのですから、信じられません。

この出来事は、およそ30億年前、バクテリが光合成を始めたことから、始まった、いわば副産物の仕業なのです。それは、酸素です。

酸素は、地球を大きく変えたのです。

バクテリアが放出した酸素が、大気中に増えたことで、温室効果ガスのメタンが減り、気温が低下します。

その結果、地球全体が氷始めました。赤道さえを氷に覆われ、全球が凍結します。

スノーボールアースといわれる時代です。

悪い冗談のように聞こえますが、なんと、最新の研究で、そのような地球全体が凍ってしまった状態が、過去に少なくとも3回あったと推測されています。

もちろん人類は未だかつて全球凍結を経験したことがありませんから、人類が全球凍結を観測したわけではありません。

しかし、地層や化石の研究から、過去に少なくとも3回(約22億年前、約7億年前、約6億年前)全球凍結が起こったことが推測されているのです。地球全体が凍りつき、ほとんどの生物が死滅しました。

しかし、地球、とりわけ生物にとって最悪のイベントのように思われますが、実はスノーボールアース、この全球凍結は生命の歴史において非常に重要な意味を持っているのです。

生物にとっては最悪の状態に見えますが、しかし、さいわい凍らずに液体の水も残っていたようです。海に浮かぶ氷の下は、バクテリアにとって、安全な場所でもあったのです。

生物は氷の下で、何百万年もの間、生き延びました。

実は、そのような過酷な環境が、生命の進化を促したのではないかと言われています。

というのも、原核生物が真核生物に進化したタイミング(約22億年前)、そして単細胞生物が多細胞生物に進化したタイミング(約7億年前)が、どちらも全球凍結の直後だからです。

生物の進化を考える上で、非常に重要なこれら2つのイベントが、どちらも全球凍結の後に起こっているのです。凍った地球という過酷な環境にさらされたことが、生命の進化を促すきかっけになったのですね。


そして、ついに、地衣類によってマグマが形成され、火山によって救われる日がきたのです。スノーボールアースは、噴火で二酸化炭素が放出され、気温が上がったのです。

氷が解け、生命が解き放たれました!生物は自分の出した酸素で、滅びかけましたが、生き延びたのです。やがて陸上にも進出し、生物は多様化します。

そして、新たな素晴らしい世界を築き上げていったのですね!

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