~ニュートリノを活用する地球外知的生命(後半)~
二度と戻らないとなれば、なおさらでしょう。
この地球に危機が迫った場合、生き残る最善の方法は、他の星への移住です。
月や火星に生活の基盤を築くことが、人類の存続にとって重要だということです。
私達が地球から離れ、地球外知的生命として存続するのです。
しかし、厳しい宇宙で暮らせるのでしょうか?
それが、人類を救う道だとしたら、脱出か・絶滅か…184カ国、15,000人以上の科学者が今の地球が緊急事態にあると警告しているのです。気候変動、森林破壊、生物種の絶滅などの問題は山積です。
http://tocana.jp/2017/11/post_15211_entry.html
しかし、昔から、地球は常に変化してきました。
氷河期が到来したり、火山灰が地球を覆ったり、そうした厳しい時代が再び来る可能性は十分にあるのです。
例えば、明日…小惑星が地球に衝突したり、巨大火山が噴火を起こすかもしれません。
私たち人類には、対応策があるのでしょうか…
例えば、地球以外の惑星に移動するのは大変です。スターウォーズのようにはいきません。惑星間の移動の難しいのは、全ての天体が動いていることです。
例えば、日食で月が太陽の前を横切る時のスピードは、時速2,700㎞です。
一方で地球も自転によって、時速1,600㎞で動いています。
それだけでなく、私たちの地球は、時速約11万㎞で太陽の周りを公転しているのです。
一方、火星は、時速8万㎞で公転している訳ですから、簡単に人類が火星や木星に行くということは、飛んでいる弾丸を狙って、銃で撃つようなものなのです。
しかし、人類は、地球以外の惑星に探査機を送り込んでいます。
探査機は、もちろん機械です。人を運ぶとなるとかなり難しくなります。
特に生物の中でも人は未知のものに対して恐れを感じる動物ですから…
宇宙船に乗り込んで、地球から別の惑星に旅立つことは、今のところ不可能ではないでしょうか…しかし、今や12人の人間が月面に足跡を残しているのです。
人類の存続のために…
おそらく、私たちが本当に探すのは、地球に似た惑星でしょう。しかし、直ぐに見つかるでしょうか、同様に、私たちに似た地球外知的生命体もいるのでしょうか?
例えば、何処かに異星人がいたとしても、異星人が送ってきたメッセージを私たちが受け取れるかは疑問です…私たちでさえ、200年前の世界では、モールス信号を受信できる人は、誰もいませんでした。
携帯の電波などは、もっての外です。
私達のテクノロジーは、まだ、まだ、未熟なのかもしれません。
他の星にいる知的生命体が何を考えているかなど分かるはずもありません。
別の恒星系にいる異星人が、メッセージを送ってくるとしたら、私達のものとは全く異なる通信技術をもちいると考えるのが妥当ですし、私達が地球での遠距離通信に用いているのは、電波、つまり光の一種だけです。
しかし、アインシュタインの理論によれば、光は、惑星間の通信には使えないのです。
光は宇宙に満ちている塵やガスによって散乱しますから、別の恒星系にいる知的生命体が、光を恒星間通信に使うことはないと言えます。
また、私たちのように電波をもちいてメッセージを送ることには別の問題もあります。
宇宙は、銀河や恒星から発せられる電波で満ち溢れているのですから、そうした電波が雑音となる訳で、たとえば、ラジオのチューニングをしていると次々に色々な雑音が入ってきます。
仮に電波で異星人と通信したいなら、非常に難しく困難ですが異星人が選ぶであろう周波数を探し当てなくてはなりません。
むしろ、その周波数を持つ恒星間通信に相応しい媒体を探す方が正しいかもしれません。
実は、ニュートリノという粒子が、その媒体になるのではないかと言われているのです。
原子より小さな粒子は、太陽の核反応や超新星爆発に伴って生成されます。
ニュートリノは、粒子があまりにも小さいため、どんな物質もすり抜けてしまうのです。
殆んど、あらゆる電波や光を遮断してしまう塵も、ニュートリノを遮断することは出来ません・・・何だってすり抜けてしまうからです。
その辺の壁はもちろん、地球だって素通りですから、私の脳や心臓、皮膚や指の爪を1秒間に100万個のニュートリノが通り抜けているのですよ!
異星人は、ニュートリノのビームで通信を行っているのかもしれませんね・・・
送るのは、宇宙版モールス信号を用いたメッセージです。
しかし、幽霊粒子とも呼ばれるニュートリノは、簡単にはキャッチできないでしょう。
地球最大のニュートリノ観測施設であるアイスキューブ(ANTARCTICA)は、
南極の厚い氷の下に埋まっています。
アイスキューブを構成するのは、86本のセンサー、これが、ニュートリノと氷に含まれる電子との衝突を感知します。しかし、こうして検出されるニュートリノは、1年で数個に過ぎません。
ニュートリノの中でも特に珍しいのが、超高エネルギーを持つニュートリノです。
現在、盛んに議論されているのは、その超高エネルギーの源、つまり、エネルギーを生み出すメカニズムが何かということです。
この非常に珍しいニュートリノは、異星人の通信手段なのかも知れません。
実際、検出さえできれば、超高エネルギーニュートリノは、確実に見分けられるからです。
なぜならば、電子とぶつかったときに起きる爆発が、非常に特徴的なので、超高エネルギーニュートリノだと簡単に分かるのです。
この爆発の仕組みを、物理学では、グラショー(Glashow)共鳴と呼びます。
超高エネルギーニュートリノと電子が出会うと何が起こるのか、楽器とワイングラスを用いて説明できます。
物質には固有振動数というものがあって、外から加わるエネルギーが固有振動数に一致すると、その物質は異常に大きく揺れます。
これが共鳴です。
色々な楽器が奏でる周波数をワイングラスにあててみると、固有振動数に一致すると割れるのです。
それぞれの音は、様々なエネルギーを持つニュートリノをワイングラスは電子を表しているわけです。
これが、グラショー共鳴です。
グラショー共鳴による爆発は、ちょうど良い量のエネルギーを持ったニュートリノでしか起こりません。
つまり、このまれな爆発現象が連続して起こった場合は、偶然とは考えにくいと言えるのです。さらに、これらのニュートリノが同じ方向から来ていたら、自然現象では無いと言い切れる訳です。
しかも、この現象が偶然、見つかった事は大発見なのです。
これによって“地球外知的生物”である“異星人(alien)”の存在が証明される訳ですが、残念ながら、何処から送信されているのか、それが本当に異星人の通信なのかは未だ分かっていません・・・もし解読されれば、世界が覆るでしょうね。
さて、私たち人類も宇宙空間に旅立てる問題に戻りましょう・・・
生物は周囲の環境を変えながら生きているわけです。
生命の歴史を振り返ると、無数の生物が生まれては消えていきました。
もちろん、今でもその繰り返しです。
地球には、様々な生物が溢れています。
サンゴ礁から高山、海底の熱水が噴き出す8,000mの海溝まで至る所に生息しています。逆に言えば、多様な生物がいるから、生命は存続しているともいえるのです。
つまり、2つの個体のDNAが混ざり合うことで、親とは違う性質の個体が生まれてくるので存続し進化し続けていくのです。
また、人間の体は、37兆もの細胞からできています。日々、膨大な細胞が入れ変わっているのです。
この瞬間も多くの細胞は死んでいます。そして、新しい細胞と入れ替わるなど代謝することで1つの生命体として、存続していられるわけですが、細胞にも寿命があります。
私が思うには、進化とは、細胞分裂の際、複製にエラーが起きることが起原になっていると考えています。細胞自身にも修復機能はありますが、一部のエラーは残ってしまいます。それが遺伝子の傷として積み重なっていくのだと思っています。
古い細胞の修復より、新たな命を生む方が簡単なのではないでしょうか。
それが、生物の遺伝子存続のための最善策だとも思いますから…
さて、私達が異星人の文明と出会うことになれば、人類史上最大の出来事となるでしょう。
1992年に太陽系外惑星が初めて発見されてから、今では、太陽系外惑星が3,500以上見つかっています。もっとたくさんあるに違いありません。
電波望遠鏡を使えば、恒星の情報を得たり、その恒星の周りを回る惑星の存在を探ったりすることが出来ます。でも生命に関しては、相手がこちらに信号を送ってこないかぎり見つけ出すことは不可能です。
地球に似た惑星は、何十億もあると言われていますが、それなのに何処からも呼びかけはありません。
地球外生命体は何処にいるのでしょう!
そこで、まず・・・地球からの距離を考えてみましょう。
国際宇宙ステーションがあるのは、地上からおよそ400㎞離れた場所です。
地球から月までは、38万㎞、土星まではおよそ12億㎞、太陽系の果てまでは、14兆5千億㎞、太陽系に最も近い恒星までは、4.25光年、地球最速の宇宙船で行ったとしても、辿り着くまでに1万7千年かかります。
隣の恒星でさえ、それくらいの距離です。
さらに先に進んで、太陽系が属する私達の銀河、天の川銀河の端までは、およそ2万5千光年、天の川銀河は、何兆個もあると言う銀河のひとつに過ぎません。
こうしてみると、遠く離れているかもしれませんが、どこかに生命は存在することは疑う余地もないでしょう!
但し、問題があります。
もし生命がいたとしても、「こんにちは」と言ってくれるかどうかは疑問だという事です…口がないどころか、脳さえ持っていない可能性もあるからです。
インドネシアのカカバン(Kakaban)島は、人が住んでいないので、とても静かです。カカバン島の湖は、海とは繋がっていないのですが、外海と地下水路で繋がっているので湖の水は海水で奇妙な生き物の宝庫なのです。
中でも不思議な生態で知られているのが、“タコクラゲ(Mastigias papua)”です。タコに似た外見からその名がつけられ、躍動する花のように見えるタコクラゲは、体内に褐虫藻が共生する為に藻類を返して光合成を行い、太陽光からエネルギーを得ています。水面近くに来たクラゲは、太陽のように輝いて見えるのはこのためです。
地球外生命が存在するとしたら、やはりエネルギーが必要になる訳ですから、おそらく太陽のような恒星や天体と水が欠かせないでしょう…
とは言え、クラゲのように地球の生き物の大半は、優れた知能を持っていません。
クラゲは、人間とは全く異なる生物です・・・
地球外生命体はいるでしょうが、知的生命体となると…可能性はぐっと低くなるでしょう!
精神や文化といったものを持った生命体は、たぶん地球以外にはいないのでは…と私は思います。
人間だけかもしれません。
宇宙の大部分は、何もない空間だと言われていますが、現実、地球には青い空が広がっていて、地上は命に満ちています。
でも、宇宙はそうではありません・・・不毛の空間が広がり、この地球以外、何処にも生命がいる気配は感じられないからです。
NASAが、太陽系から1,400光年ほど離れた惑星系に、地球によく似た惑星を発見し、Kepler-452b と名付けました。ちなみに Kepler-452b が属する惑星系は、太陽系よりも“15億年”ほど・・・古いとみられていますから、もし地球と同じように生命が生まれて進化していたら、我々よりも少し進化した文明が存在していることになります。
ハビタブルゾーンの中にあって、自然界の秩序や繫がり、サイクルと言ったものが、手に取るようにわかる惑星は、この宇宙には地球以外にないのかもしれません・・・http://www.exoplanetkyoto.org/study/habitable/
仮に宇宙船に乗り込んで、地球から別の惑星に旅立つことが出来たとして、人類はその環境で暮らせるのでしょうか。
地球は永遠に続くものではありませんから、何時の日か地球を出て、人類は別の惑星で暮らすかもしれません・・・
でも、地球は単なる岩の塊ではなく、生き物たちが複雑なつながりを持つ1つの生命体なのです。
私たちは、その中で生きています。
では、地球を脱出するとき、私たちは、誰と一緒に地球を離れればよいのでしょうか!
宇宙船「ノア(Noah)号」には誰と一緒に乗ればよいのでしょうか…?
人類が生存するために必要な植物の種と試験管に入った125万種の動物のDNAでしょうか・・・重力の無い宇宙では生物にどのような影響がでるのでしょうか、メダカなどの魚は、微小重力環境では平衡感覚が混乱し、回転して泳いでしまうことも分かっています。
実は私は、「ノア号」に一緒に乗るのは、バクテリアだと思っています…
なぜならば、人体を構成する細胞の数は37兆程度だが、体内に生息する細菌の細胞数は100兆を超えるのです。こうした体内微生物が、免疫系など人体の仕組みと密接な相互作用をしていることを考えると、人間とは、ヒトの細胞と微生物とが高度に絡み合った集合的有機体とみるのが適切だと言えるからです。
そのバクテリアは、ある生物の力を借りると簡単に見つけだすことができるのです・・・それは、カブトガニです。
私は、カブトガニは宇宙から来たリアルな地球外生命体だと思っているのです。
なぜなら、カブトガニは数億年も前から生き続けている現存する最古の動物と言えますし、人間と同じように手足には関節を持ち、実は宇宙空間を旅するのに凄く役立つ生物体型なのです。
それだけでなく、彼らの免疫システムは効率的で、カブトガニの青い血は、血液の成分がバクテリアに触れると即座に酵素を放出するというメカニズムを持っているのです。
1兆分の1未満のバクテリア濃度でも、この酵素で検出できるのです。
つまり、50mのオリンピックプールに溶けた一粒の砂糖を見つけ出す感じです。
だから、わずかな量の血液を利用するだけで、汚染を検出できるわけです。
このメカニズムは宇宙で出会う未知のバクテリアの対処方法にも使えるのです。
しかし、人間の体内に住み着いているバクテリアは、必ずしも人間の敵ではありません。
特に、地球を離れる時に、運命を共にするクルーなのですから…
殆どの生物は、体内の微生物に依存しています。
胃の中のバクテリアは消化を助けます。一方、肺にみられる微生物達は、感染症を防いでいます。人間の体の内側にも外側にも,バクテリアの世界があるのです。
その2つの世界は切っても切れないのですから‥‥
次回は、コンピュータ上で繁殖し進化するデジタル生命体についてお話します。