★進化論は生命体の成り立ちを探るオキシトシン効果★
私達の心の中に於いては。神が私たちの肉体だけでなく倫理までも想像したと考える人が多い事でしょう。
人の脳内に倫理観を植え付けたのは、進化でしょうか、それとも心の中に潜む神でしょうか。
脳内の化学物質は、人の判断にどう影響するかを調べてみました。
神経科学のお話です。
今回は、人が持つ倫理観の起源について調べてみました。
人が人を見守り、人が人を援助する…道徳に多様性はないのでしょうか?善悪の違いは、どこから来るのでしょう。
認知症ケアをするうえで、それが知りたくて、研究に取り込んでみました。
人の倫理観には、鍵となる物質があると言えます。
その候補に挙げられているのが、オキシトシンという脳内物質です。
「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」「抱擁ホルモン」「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」「癒しホルモン」など、数々の異名を持つこのホルモンは、幸せな気分になる。脳・心が癒され、ストレスが緩和する。不安や恐怖心が減少する。他者への信頼の気持ちが増す。社交的となり人と関わりたいという好奇心が強まる。親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる。学習意欲と記憶力向上、心臓の機能を上げる。感染症予防につながるオキシトシンは、10年ほど前まで、出産や母乳の分泌にだけ役立つだけの物質と思われていました。
女性特有のものと言われていましたが、実際は男性の脳でも作られます。
それにはなんらか理由があるはずです。
オキシトシンは、生殖だけでなく思いやりや愛情、信頼感の形成にも役立っているのですから、介護をする上では重要なホルモンと言えます。分泌量を増やすにはどのような方法があるのでしょうか…それを証明するには、長期に渡る実験が必要でした。
まずは、オキシトシンと自律神経の関係を調べてみました。心電図を装着してCVRRで継続的に自律神経の状態を把握します。
その際、オキシトシン効果があると言われるマッサージ、リフレクソロジー、タクティーㇽの施術を施します。
次に、不安感を解消するオキシトシンの分泌量を測るため、スカイダイビングをして、脳内にどういう変化が起きるか、調べてみました。
他人に命を預けるという状況でも、オキシトシンが役立つのかどうか、テストしてみました。
まずは地上で血液を採取します。
この時、血中に含まれるオキシトシンの量とスカイダイビングを終えた後の量を比較するのです。
二人の人物が一つのパラシュートを使うタンデムスカイダイビングに信頼は欠かせません。
インストラクターに命を預けるわけですし、インストラクターとは初対面です。
彼と一緒に高度3600mから飛び降ります。誰がパラシュートのパッキングを用意したのかも知らない状態です。スカイダイビングに於ける事故原因は、パラシュートの不適切なパッキングや検査での見落とし、テクニックの未熟さなど、人為的なミスがほとんどです。
見ず知らずの人々を信用するという究極の不安です。
他人と一緒に、あんな高いところから急降下するなんて、すごい体験です。
血液を分析し、強い信頼の気持ちが脳内物質の量に現れたかどうかを調べます。
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールがおよそ約5倍の500%増加していました。
これは想像通りです。
勇気と関連づけられるテストステロンの数値にも増加が見られました。
では、スカイダイビングでオキシトシンが活性化するのでしょうか?
なんとオキシトシンは17%増加しました。
ある結婚式で花嫁を調べたときは、28%の増加が見られました。
つまりインストラクターへの信頼感は、新婚カップルの半分を超えていたのです。
決して悪くない状態です。
オキシトシンのレベルは、信頼のほか、教会や寛容といった社会的態度にも強く結びついているそうです。
オキシトシンが人の倫理的行動を操るのだとしたら、この分子はどこからきたのでしょう。
道徳ある社会を願う創造主のデザインでしょうか?
進化が始まる前のことはわかりませんが、神様がいたらいいなと思います…オキシトシンが神の物質なのかは分かりませんが、私には、信仰の問題に口を挟む余地はありませんね。
脳内にあるオキシトシンは、聖なる神が私たちを作った印なのでしょうか?
それとも協力しあって生きる人類のために作り出された進化の産物なのでしょうか?
オキシトシンが私達に、信頼や寛容の心を与えてくれるのなら、異なる意見を持つ人々が、手を取り合うことも夢ではありませんね。
認知症の人への介護に役立つオキシトシンの量を増やす方法を見つけたいものですね。