「Kyomation Care Systemの構築」
羽田野 政治 井戸和宏
【目的】認知症において、障害の程度に関わらず、誰にも代わることのできない独自の人間として価値を持つこと、人間として当たり前に様々なニーズや同じ権利を持っていることなどを基本に医療と福祉・看護と介護の実践を融合させた対人支援は、重要な課題と言える。横浜福祉研究所では、これらの課題に対してKyomation Care(以下KC)という理論によって認知症高齢者の生活支援及び、認知症の緩和ケアを行っている。そして、これらのケアに必要な情報を共有化させるため、共通言語・共通認識といった情報共有を均一的に実施するのに必要なシステムの開発を2000年から開始し、実用レベルに至ったため、開発経過を踏まえ報告する。
【方法】基本的な医学・看護学・介護学に裏付けられたアセスメント・ケアプラン・対人援助技術の習得についてKyomation Care System:KCSを活用し、知識や技術を情報システムで共有し、教育されたアテンダントによるチームワークで科学的に裏付けられた分析を活用し、MDS2.1と連動したケアプランによる支援実践を繰り返していくことが基本である。附属グループホーム入居者72名を対象に7年間にわたりケア提供をおこなってきた。
【結果】すでに、KCでの報告については、本学会を始めとした学術集会、本学会の事例ジャーナルなどでも、その効果について毎回報告を行っている。
【結論】認知症ケアについては、科学的根拠に基づく適切な情報の共有と活用のために構築されたシステムの活用が有効であったので報告する。