彼は、歴史書や聖書の恐ろしい話の中から…盗んでくると言います。
だから、何人かを失望させたと…言います。
なぜなら、予測には、日付や場所もあいまいだからです。
そこで、私達が求める正確さに答えるために開発されたのが、ディープ・ラーニングの人工知能AIです。
ディープ・ラーニングが可能なニューラルネットワークでは大量の情報を深く掘り下げて処理できます。
人の脳と同じで、パターンの認識が得意なのです。
たとえば、画像をスキャンするときニューラルネットワークはこんな風に自分に問いかけているのです。
「私は正確には何を見ているのか」「私はそれを見て何をするのか」
https://lp-tech.net/articles/j4xoo
ディープ・ラーニングを使えば、こんなちょっとしたことも解決出来るのです。
ガーデニング好きの妻は、近所の猫に悩まされていました。
特に目の届かない夜、庭に排泄され草木や芝が枯れてしまうのです。
そこで、ディープ・ラーニングを試すことにしました。
前庭にカメラを設置して、猫の認識をカメラが学習するか試すことにしたのです。
基本的なシステムは、通常の監視カメラと同じです。
しかし、通常のカメラは猫の情報を持っていません。
そこが猫の画像を与えてやると、ディープ・ラーニングのシステムが、その認識法を学ぶのです。
次に、猫を認識するとスプリンクラーが作動するようにセットしました。
これには、NVIDIAを活用して画像処理を行うGPUをAIの分野に生かしました。並列プロセッサが多数あるためAIに向いているのです。
NVIDIA:http://nvidia.co.jp
GPU:graphics processing unit三次元のコンピュータグラフィックスに必要な演算処理を行うビデオチップ。
個々の並列プロセッサは、画像やAIネットワークの一部を抽出することが出来ます。そして、抽出した小さな情報をひとつにまとめることで、最終結果を導き出します。
ディープ・ラーニングに与えられたのは、ネット上にある大量の猫の写真、何のためかというのは、もちろんあらゆるパターンの猫を学習するためです。
カメラがとらえた猫を見ると、その画像をシステムがどう分類したかが分かります。
ネット上の猫の画像は、かわいらしい姿や前向きのものが多いからです。
庭を“こそこそ”と動き回る猫とは全く違います。
そこで、私自身で写真を撮り訓練のための画像に加えました。
こんな方法で猫を認識できるのかは不安でしたが、成功しました。
この方法は、人間にも活用できることが分かり、認知症の状態を態度や行動、表情など13の項目に渡って認証した結果、気分の変化を捕らえることが出来たのです。
当初、猫を認識できたのは3割ほどでしたが、しかし、稼働させてから3カ月ほどで6割まで向上しました。
現在では、庭に侵入する猫の9割を認識できています。
仕事ぶりは上々です。
人工知能AIの凄いところはもちろん猫を正式に認識できることだけではありません。
私達のもっと身近にある予測にも役立っているのです。
それは、天気予報、毎日チェックしているでしょう!
気象システムって、実はとても複雑なのです。
でも、予測モデリングと言う手法の導入でノイズの多いデータから、大事なシグナルを選べるようになってきたのです。
たとえば、北海道の札幌大通公園の“むく鳥が一斉に羽ばたく”と、沖縄の糸満市で大雨が降る確率が高い。
ビックデータに集積されている沖縄県糸満市の豪雨の日と北海道の札幌市の“むく鳥”の夕暮時に一斉に羽ばたいて飛ぶ日とを相関させると殆どの日が一緒だということです。
そう言われると、物事は他の何かに影響されているということです。
天気の予測はまさに、この理論のシミュレーションで、強力なコンピュータを用い仮説に基づいて行われます。
一昔前、天気予報は冗談の的で、当て推量と変わりませんでしたが、大きく飛躍しました。
日々の気温や降水量に加え、災害をもたらす台風なども予測できます。
この25年で精度は格段に上がり多くの命が救われました。
しかし、難しいのは真実の見極めです。
AIも大量の予測よりも、何が分かって何が分からないのかの見定めに難しさを感じているようです。
幸い予報モデルの進化で精度は高くなったと言います。
しかし25年前は、予測に必要な情報は紙の状態で大量に届きました。
全てには目を通せませんでした。
今は数値予報モデルで気象状況を予測でき、他の情報や衛星データで確認もできます。
28年で大きく変わりました。
現在、気象情報のメインで使われているのは、気象センサー、陸上はもちろん海の上や空、そして宇宙にも設置されている。
そのデータを環境物理学に基づくモデルに当てはめる。
大気は水槽の中の水のような流体で、時間の経過に伴う大気の変化は数式で定義づけられます。
http://fnorio.com/0152adiabatic_lapse_rate/adiabatic_lapse_rate.html
そこで、主要な式をコンピュータモデルに入れ、大気の変化を計算するのです。
天気予報はもちろん明日晴れるか?雨が降るかだけでなく、強風や豪雨は人の命に係わるからです。
でも大気の状況は変わりやすいので、毎回正確に予測できるとは限りません。
そこで、精度を上げるため、あえてデータに誤差を与えて何度も何度も繰り返し予測している。
これによって得られた複数の予測は、アンサンブルと呼ばれています。
実は、このアンサンブルによって、認知症の方の日常生活の様子を予測することもできるのです。
たとえば、ゴルフ場でパッとしていると想像してください、パットを台風の進路や認知症の方のトイレまでの進路と歩行速度だとします。
ボールは一定のコースを進みます。
これは1つの情報です。
アンサンブルは、これを何度も繰り返し行う事です。
ボールを打つたび、何かが変わります。
コースがどれも互いに近ければ、予報モデルの質が高いか、予測の精度が高いか、その両方です。
上の日本地図は、アンサンブル予報で得た、複数の台風の進路を重ねた図です。
これにより、多くの情報が読み取れます。
線が重なっているほど、予報の精度が高いということです。
東北地方沖のようにバラけている場合、精度は低くなります。
わずかな違いが予報を大きく変えるのです。
また、完璧な数値予報は得られません。
すべての地点をくまなく観測するのは不可能だからです。
認知症ケアでも同様です。例え完璧な予測でなくても、精度が上がればたくさんの命を救うことが出来るし、自立度を維持し改善することも出来るのです。
次回の3話では、認知症ケアのシミュレーション予測についてです。
これまでの予測分析は、私たちの身近な問題に活用されてきました。
ノストラダムスの大予言、7の月に空から大魔王が降ってくる。
世界はどう滅びるのか・・・?
火が降り、世界を荒廃させる。
6500万年前、地球に落ちた巨大隕石が恐竜を絶滅させたと言われています。
同じことがまた、起こるかもしれません?
でも、いつ隕石が落ちてくるか予測できれば、人類は恐竜の二の舞を避けることが出来るかもしれませんね。
理論物理学がビックデータを活用してシミュレーションを行う天体物理学に認知症ケアの可能性を見出したお話です。