発表者 井戸和宏 羽田野政治
[目的]
本研究では、正常圧水頭症で尿失禁のあるクライアントに対して、尿失禁および随伴症状の改善を目的とし、MDS2.1を用いたケアプラン作成に基づいてアプローチを行い、その効果検証を試みた。
[対象者]
68歳女性 既往症;正常圧水頭症・脳腫瘍(H13.1発症)
正常圧水頭症に特有の記憶障害、自発性低下を主とする痴呆と歩行障害、尿失禁が臨床症状として見られる。
[尺度]
[研究方法]
正常圧水頭症による痴呆症状の中核症状である精神障害・気分障害発症時は、心的葛藤が頻繁に起こる。知的機能の低下に対する自覚も欠如される為、随伴症状の発症や問題行動も様々に表面化する。これを未然に防ぐために、自然的環境変化・
生理的環境変化のデータを取り、要因となり得る環境変化について検討した。このデータをMDS2.1アセスメントにより領域検討することで、ケアプランを作成した。
[ケアプランアプローチ]
[結果]
集中的にアプローチを行ったH15.11とH16.6は尿失禁回数が有意に減少した。
また、TIA発作(H16.3)以後ADLが低下するが、それに伴う情緒機能の悪化を防ぐことができた。