Science Park~ロボットが自意識に目覚めた時…命は大きな飛躍を遂げる~

誰にでも始まりはあります。

でも、その始まりとは、何時なのでしょうか?

二つの細胞が出会った時!

それとも、この世に生まれた時!

科学者と宗教家の答えは違うはずです。

生物学的反応と意識的反応、どちらが生きている証なのでしょうか?

人やチンパンジーなどエイプの中で、人は顔を赤らめる唯一の動物です!高度な自意識があるからこそ、人は赤面します。でも赤ちゃんは恥ずかしがりません!成長とともに恥ずかしさを知ります。

自意識に目覚めた時、本当の人生が始まるのでしょうか?

人は…ある頃から、自分が見られているように感じ始めます。

すると、自分に何か問題があるような気がして、不安になるのです。

人間は他者からの評価を気にする生き物なのです。

自意識に目覚め、赤面し、恥ずかしいと思うようになった時、初めて心理学的にも文化的にも人生が始まった…と言えるのではないでしょうか!

エイプの中でも人は社会的な脳を発達させてきました。衣服や装飾品をつけるのは、私たち人間だけです。

チンパンジーやボノボ、オラウータンやゴリラなどのエイプの仲間は化粧をしません。

人は周りからどう見られるかを強く意識する生き物なのです。

人は、こうした意識を持った時、本当の人生が始まるのではないでしょうか…?

では、人は人に見られることを、いつ頃から意識するのでしょうか?周りの人と合わせるようとする行動が、その兆候です。

最近の研究によると、2歳から3歳頃だと考えられています。

しかし、3歳では、まだ自意識が発達したとは言えません…さらなる発達段階があるのです。

http://integraljapan.net/pdf/articles/JTA2018EgoDevelopment.pdf

5歳ごろになると、自分が他人からどう見られ、どのように判断されるかという事を気にかけてきます。これは意識が発達する上での大きな進歩なのです。

この自意識は、日常生活動作とも大きく関係しています。

意識が段階的に発達すると、合わさるように日常生活動作も段階的にできるようになってくるのです。つまり、自立(自律)は、自意識と関連しているのではないでしょうか…?

一つの細胞が9ヶ月の間に、胎児として発達するように意識も徐々に成長するのです。

自意識の発達には5年程かかるというわけですから、相関関係から自意識の衰退も5年程かけて徐々に衰退していくということでしょうか!

こちらのほうが、人生の始まりで、人生の終焉ではないでしょうか?

生きるということは、ロボットや機械が活動することとは違うようです。ただセンサーで感知するのでは無く、人は心で感じ取るからです。

自意識に目覚めた時、人生が始まる…これを過激に解釈すれば、自分でものを考える能力を持った機械(人工知能)は、4歳児よりも生きていることになります!

今では、コネクトロームにより1000億のニューロンと100兆近いシナプスを備えた人の脳のコンピュータモデル(汎用人工知能)ができ始めています。

人の脳にある神経細胞やシナプスを,同じ数のコアとインターコネクトで置き換えることで、人の知能に、ある意味で追いつく汎用人工知能が実現できてきているのです。

https://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/1d0779c777339727c59a4f840266e1a1

最終的な目標は、人工の神経系に自意識を持たせること、それは、新しい生命体の始まりでもあるのです。

だとすれば、自意識を持っているのは人の脳だけだという考えは、間違っているのでしょうか?

自意識も持ったロボットのためのプログラムを作ることも、きっと出来るでしょう!

その方法は既に見つかっているのですから…ロボットに歩き方をプログラムする代わりに、自意識のある生き物と同じように、自力で歩き方を学ばせるのです。

ロボットの脳は、生物の脳をモデルに作られています。脳を作るにあたって、最も大切なる要素は、ニューロンです。

ニューロンは自意識を司る脳細胞で、犬が学習するときにも役立ちます。

犬に芸を仕込むときに欠かせないものは、オヤツではなくニューロンなのです。

ボール遊びを教えると、犬の脳にあるニューロンは、電気を発し神経経路を作ります。

練習を繰り返すと、神経の伝達が早くなり、効率的に電気が流れるようになるのです。

そこで、ニューロンのネットワークを人工的に再現して、生物の脳と同じように電気を発し、優先経路を作ります。これを、ロボットの体に取り付けるのです。

https://www.sankei.com/wired/news/180530/wir1805300001-n3.html

自力で動き方を学ぶロボットは、自分の体や周りの出来事を理解し、意識を持つようになるのでしょうか?

現在の研究では、ロボットに直接、人間がプログラムを入力していないのです。代わりに人工の神経系を組み込んで、ロボット自身に経験を積ませて強化学習をしているのです。

ロボットは最初に手や首を動かして、自分の体の構造を理解します。その後、人間がペットに芸を仕込む時のように“飴と鞭”を使って、いろいろな事を教えるのです。

まずは、汎用人工知能が学ぼうとしているのは、立ち上がる動作です。

人工頭脳を持つロボットは、周りの世界を探検し、経験を積み、動作を上達させます。

彼らは、新しい生命体なのでしょうか?

なぜならば、人工頭脳を持ったロボット達に何らかの材料を与えたとします。

彼らがそれを使って、きっと自分たちのコピーを作り始めるでしょう!そうしたら、ロボットの生命体は集団として一つの群れを形成することになるでしょう。こんな仮説もあり得るかもしれませんね!

そして、いつか感情を持ち、赤面するかもしれません。そうなれば人工生命と生き物の違いは?ほとんどなくなるのでは無いでしょうか!

そして、きっと…この10年以内には…生まれてくることでしょう…

最初は、人間の細胞と連携した人工臓器や血管、皮膚などが3Dプリンターで作られて、移植が始まってくるでしょう!

やがて、人工の神経細胞が完成し、移植されるゆおになりパーキンソン病を始め、認知症治療が本格的に始まることになるでしょう。

この流れは、人間が進化させるのではなく、人工頭脳が自ら学ぶプロセスの中で、大きな副産物として獲得してくることになるのです。

認知症を発症した人の脳では、複数の伝達障害(神経伝達物質の変化)が認められています。

たとえば、視床下部→下垂体→副腎系HPA軸に過剰活動を生じるなど、脳機能に直接影響を及ぼす可能性もある状態を仮想的に作り上げることができるようになるわけです。

つまり、自分で動き回るプロセスを学ぶことは、様々な問題や課題をもあからさまにしてくれることになるのです。

失敗を重ねることに、その失敗を起こした神経回路内での伝達プロセスの変化を学ぶことができるようになるからです。

これが、いわば障害を起こしている神経回路や伝達物質の変化などの原因を解明することに繋がるのではないでしょうか…!

その副産物によって、認知症の認知障害やBPSDの発症の仕組み、緩和の方法を心理的および環境的要因から考えることが出来る時代が、もうすぐそこまで来ているのです…

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