Science Park(令和特別号Vol.1)

~卵子と精子が出会った時…遺伝情報が作られる~

誰にでも始まりはあります。

でも、その始まりとは、いつなのでしょうか?

二つの細胞が出会った時!それとも、この世に生まれた時!

科学者と宗教家の答えは違うはずです。

生物学的反応と意識的反応、どちらが生きている証なのでしょうか?

意識を作り出すことができれば、人はモノに命を与え、命の始まりを見ることができるのでしょうか!

命とは奇跡だ!感動した時や不思議な事にあった時、人は奇跡だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=luRPIhEhMfU

人の受精卵はわずかな細胞の塊です。

見かけは、皮膚に住む“バイ菌”と大差ありません!

どちらも遺伝子を持っていて、繁殖します。

片方は大切にされ、片方は忌み嫌われる。しかし、どちらも奇跡なのです。

これらの物質には、命が宿っています。

子供の頃、お腹が空くと、よく“お餅”を焼いて食べたものです。

時折、お餅に生えた緑色のカビを見つけると、一体どこから現れるのか気になったものです。

水に入れたらどうなるだろう?放っておいたらどうなるだろう?焼いたら…?成長して色が変わるのか!毛が生えてくるのか!動き出すのか…!

結果、放っておいた餅のカビはそれなりに広がりましたが、期待していたような大きな変化はありませんでした。カビは大きく成長する生き物ではなかったのです。

私たち人間は大きくなるのに、何が違うのでしょうか?

生き物の繁殖手段は様々です。

実は、植物は自分のクローンを作るのをご存知ですか?

クローンは全く同じ遺伝子構成のゲノムを持った生物のことです。

年老いた木の根元に若木が生え、新たな茂みとなったり、葉が落ちて土に挿され育つ葉挿しや、私たちがよくやる根の一部を地中に埋めて育てる根挿し(根伏せ)もクローンによる繁殖です。こうして同じ木が何度も何度も生えてくるのです。

全く違う方法で繁殖する生き物もいます。プラナリアという生物をご存知ですか?プラナリアという生き物は、石にへばりついて自分の体がちぎれるまで、精一杯に体を伸ばします。でも死なないで2匹になるのです。

学術的に言えば、プラナリアとは、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目(Platyhelminthes)という長い名前に属する生物の呼び名です。

サナダムシと同類で、体表にある繊毛と呼ばれる短く多数密集した毛が動くことを繊毛運動と呼びますが、このときに繊毛が渦を作っているように見えることが由来です。つまり、分裂によって繁殖するのはプラナリアの最大の特徴なのです。

https://www.youtube.com/watch?v=cwqkehl4-gs

自然界には様々な誕生の仕方がありますが、私が最も神秘的に思えるのが人の誕生です。

私は、加齢によって惹き起こされる認知症を研究していますが、細胞死を学ぶうちに細胞の誕生こそが最も重要な認知症発症要素だと思っているのです。

命が生まれるのは一瞬の出来事です。人には卵子と精子があります。

目的は相手を見つけて融合する事、二つが合わさった瞬間、新しく単細胞のヒト胚が出来上がります。

この新しい細胞は、卵子と精子をミックスした独自の遺伝子コードを持っています。

このたった一つの細胞の中に、はじめから人間の完璧な設計図が入っているのです。

人間の一生は、卵子と精子が結合する瞬間から始まっているという意見の方も多いと思います。

胚細胞の中には、ヒト一人をつくりあげるマニュアル(遺伝子コード)があり、そこに、すべて書き込まれているのです。

それは、ひとりでに完成する機械のようなもの、例えるなら自動組み立て式ロボットとでも呼ぶのでしょうか…必要なパーツも取扱説明書も全て胚細胞の中に入っているので手を加えなくても完成するのです。

ただ人体の構造は、現在の人型ロボットよりずっと複雑です。

人の胚細胞は卵管を通って、子宮へと移動し、そこで細胞分裂を始めます。2個から4個、4個から8個という具合です。

https://www.youtube.com/watch?v=AlVNg3UgIyE

およそ1週間後、胚は子宮壁に着床します。さらに1週間経つと、胚の形は原始的な体のようになってくるのです。

3週間後、神経系統が姿を現します。

細胞はどんどん増殖し、血管が作られ心臓が動き始め、背骨ができて手足が突き出してくるのです。

脳の形成が始まるのも、この頃です。

胚の脂肪や組織は、まるで運動をしているかのような活発な動きをします。こうしてのっぺりとした人胚から複雑な構造を持った骨組みや臓器が形作られていくのです。

https://www.youtube.com/watch?v=xptl6Sn5nms

すべてが遺伝子によって、精巧に作り上げられていくのですが、精巧なゆえに遺伝的異常も含まれることがあるのです。

実は認知症の行動・心理症状BPSDも、この頃に形成される遺伝的要因が関連しているというのです。つまり、アルツハイマー病においては家族性リスクが高いのです。

その他の認知症におけるBPSDへの遺伝的影響では、レビー小体型認知症やパーキンソン病に伴う認知症の妄想にはAPOE遺伝子e-4アレルが関係し、前頭葉側頭型認知症では攻撃性に関連していることなどが報告されていますが、早ければ幼少期から認識力に影響を与える可能性があるとも言われているのです。

遺伝子異常とBPSDとの相関に関する知識は、グローバルネットワークによって、これから高まるでしょう!

たとえば、現在では、常染色体優性遺伝アルツハイマー病としても知られており、優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)は、希少な遺伝性遺伝子変異によって引き起こされる認知症の一種です。

これらの遺伝子変異を持って生まれた方は、通常、60歳になる前にアルツハイマー病(家族性アルツハイマー病)を発症するだけでなく、自分の子供にその変異型を50%の確率で伝えます。でも、この病気は、遺伝子検査を通じて特定することが可能です。

https://www.senshiniryo.net/column_a/23/index.html

そんな中で、今、注目されているのが、子供たち遺伝子を使った研究でアルツハイマー病が治療できるのではないかと期待されていることです。

子供たちの遺伝子を研究することにより、最終的には将来、認知症を発症するリスクが誰にあるのかを早期に示せるようになり、認知症の発症を防ぐ、あるいはその始まりを遅らせる方法の開発にも役立つかもしれませんね!

そこで、一つの人生の考えに辿り着いてきます。

人間の命は皆、精子と卵子が合わさって生まれたたった一つの細胞から始まっています。

自分とは“何か”を知るためにも、私達はこのことを深く理解すべきではないでしょうか?生命の始まりは、まず「ここ」ではないでしょうか…

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