Science Park★バイオカプセルが認知症を治す★~老化は永遠の若さに…認知症は遺伝子の異常を感知し治療される~

今回は認知症を含め“老化”について考えてみました。20160210

老化とは、いったい何なのでしょうか、病気になったり、シワが出来たり、認知症になること?どれもが正解です。

ところで、悪くなった心臓を機械の部品のように交換できたり、皮膚を壁紙のように変えられたり、運動能力を簡単にあげられたら、病気や老化、認知症という概念がガラリと変わるのではないでしょうか、認知症とは生涯無縁で永遠の若さが夢ではなくなるという最新研究を紹介します。


永遠の若さといえば、クレオパトラや楊貴妃を思い浮かべます。20160205

クレオパトラは、老いを恐れミネラルたっぷりの死海で入浴後、薔薇の香油を使用して皮膚の保湿や引き締めを行い、ホルモンバランスを整えシワの予防をしていたと言います。

楊貴妃は、美肌を維持するためグルタミン酸やメチオニンなどの必須アミノ酸を沢山摂取するため鶏の手羽先を好んで食べ、その後には必ずコレステロール値を正常値に戻すため、タンパク質の代謝を助ける働きのあるライチを食べていたそうです。

大国を築いては崩壊させてきた人類の歴史に名を刻む権力者達、大勢の運命を操った彼女たちでさえ、打ち勝つことが出来なかったものが、老いと死です。

誰にでも平等に訪れ、決して避けることはできない自然現象なのです。

ところが、現代それが“覆る”想像もつかない変化が起きているのです!

アルツハイマー博士が54歳のアルツハイマー病患者を発見した時から100年で人間の寿命は、およそ2倍になり、今では54歳でアルツハイマー病に罹ると“若年性”と位置付かれてしまうほどです。

それだけでなく、私たちは今、認知症を治す時代を飛び越え、永遠に認知症には罹らない未知の領域へも踏み込もうとしているのです。

つまり、容赦なしに私たちを襲う老化現象を、今、最新のテクノロジーによって、永遠の若さの維持が実現されようとしているのです。

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肌のシワやタルミを自然な形で取り除けたら、最高だと思いませんか、美容整形をするのではなく、自らの皮膚を再生させるのです。

2016年、今年は、ついに老化のない時代の幕開けです。

Wake Forest 大学のアンソニー・アタラ博士(Anthony Atala, M.D)は、通常のインクジェットプリンターの仕組みを利用して、生きた皮膚細胞を印刷する技術を開発しました。その名はバイオプリンティングです。

以下のURLでバイオプリンティングが見られます。

www.ted.com/talks/anthony_atala_printing_a_human_kidney?language=ja

では、どのように皮膚を印刷するのでしょう…バイオプリンターのカートリッジには、インクではなく細胞が入っています。20160206

一度の噴射で一枚の層がプリントされます。患者の皮膚に直接印刷することが出来る画期的な方法です。

しかも20×25㎝ならば1時間ほどでプリントできるのです。

初めに患者から採取し培養した細胞をカートリッジに入れて次に傷をスキャンして、患者の皮膚を3Dイメージにおこします。

人間の皮膚は表皮(epidermis)と真皮(dermis)からなっているので、このイメージをもとにバイオプリンターは繊維細胞を吹き付けていきます。

それが組織の枠組みとなり、真皮を形成、しっかりと結合したところに角化細胞(ケラチノサイト)で表皮を作ります。

皮膚の一番上となるこの層は、皮膚同様な外的刺激から身を守る働きもあります。20160207

高齢者の場合は、特に認知症高齢者の場合は日常生活の些細なことからもそれなりの損傷を受けやすく、それに悩まされる時間、頻度が多くなり、生活上の問題として付きまとうことになります。

例えば、挫滅創や褥瘡などは、この技術を役立てればきっと良い結果が得られると考えられますし、認知症高齢者に意外に多い掻きむしりによる裂傷や熱傷(火傷)にも有効になるのではないでしょうか。

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私たちは人を見るとき無意識のうちに、相手の顔の微妙な変化に目を向けています。

顔の目や口、鼻などを動かす表情筋は、眉を上げる“前頭筋”目の開閉をする“眼輪筋”口元の様々な表情を作る“口輪筋”など30種類以上の筋肉が相互に作用し、複雑な表情を作り出しているのです。老化によって表情筋を使わなくなると顔のハリのバランスを崩し、シワやタルミを作り、このシワやタルミが毛穴を目立たせ、老い顔を招くのです。

つまり、目も周りや額の皮膚は、自然に視線の集まる場所ですから、老いは表情から始まると言われています。

ですからそこを変えると,印象は大きく違ってくることにもなるのです。

老化という現象が、見た目に現れず、誰もが30歳に見えるようになったら、人の関わり方や社会の捉え方までも変わるかもしれませんね!20160208

お年寄りとして扱うべき年齢の相手が、若々しい外見をしていたら、貴方なら…どう接しますか、ケアする相手が自分より若く見えたら、介護に戸惑いますよね!しかし、皮膚だけでは、永遠の若さは保証されません。

そこで、80歳だろうと真新しい内臓を手に入れられるようになったら、幹細胞や組織を扱う生物工学と

3Dプリンターやキャドシステムの技術を融合することで、最近オーダーメイドの器官を形成できるようにもなったのです。

最終目標である実質臓器を作るためには乗り越えなくてはならない問題はまだ残ってはいるものの、血管の形成では、体中を駆け巡る血管、肝臓のような臓器には太い動脈に加え、糸状の組織を正確に絡み合わせ、太さおよそ100分の1㎜の毛細血管までもバイオプリンティングで再現することに成功したのです。

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ペンシルベニア大学のクリストファー・チャン博士(Christopher S.Chen PHD)は、砂糖が常温ですぐに固まる性質を使い様々な細かい模様をつくる飴細工の技術を応用して、血管の複雑な編み目に砂糖を主原料とした3D型繊維網を形作りました。http://www.med.upenn.edu/apps/faculty/index.php/g20000320/p6008900

砂糖が固まったら、細胞を塗り付けます。次に水で砂糖を溶かすと、細胞で出来た管だけが残ります。これが人工血管となるのです。

しかも、この人工血管は人間の血管組織と同じようなスピードや圧力で血液が流れていくことも確認され人工血管が完成したのです。

今後は、白血球や皮膚のサンプルを採取して研究所に送れば、自分専用の予備パーツを作っておけるようになるでしょう!

単純な構造から始め、今はチューブ状の血管や尿道などの機関の形成に成功しています。次はより複雑な構造の管腔臓器を作るのが目標だそうです。たとえば膀胱のように、最終目標は、肝臓や腎臓などの実質臓器での実用化になるでしょう。

日本でも3Dプリンターを使って佐賀大学では皮膚細胞などから血管を作成することに成功しています。

http://3-d-craft.com/press/2305

これらは、すなわち体内の時計をリセットする行為とも言えます。

しかし、人工器官にも、また、時計のようなものがあり時を刻み始めているようです。

人工器官にも寿命があるわけです。

いつの日か、器官の交換も美容院に行くような日常的な行為になることでしょう!

白内障や近視も眼球を注文し眼鏡屋さんで取り換えるだけで治ります。

リドリー・スコット監督、ハリソン・フォードの主演で“レプリカント”と言われる人造人間との死闘を描いた“ブレードランナー”という映画がありましたが、遺伝子工学の進化により人工器官が作られ人間に酷似した人造人間が生まれた。

まさにその映画が現実化を帯びてきたようです。

http://sanmarie.me/blade-runner/

しかし、現実の人工器官の交換は、言ってみれば対処療法で原因の解決にはなっていません。細菌やウイルスに囲まれていては,不老不死など夢のまた夢なのではないでしょうか…

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よころが現在、そんな見えない敵の攻撃を防ぐ方法も見つかってきたのです。20160209

もしかしたら、伝染病とも永遠に無縁でいられるようになるかもしれませんね!

人間の平均寿命は、この100年余りで2倍になったわけですが、それは、私たちが見えない敵と戦う術を学んだからです。

殺菌の技術や抗生物質、ワクチンなどを生み出すことによって多くの人が死を免れ長生きできるようになったからです。

今後、体の中をもっと細かく遺伝子レベルで検査できるようになったら寿命はさらに2倍にまで伸びるでしょう!実際に現在は1日5時間ずつ寿命が延びているのです。つまり、30年後の平均寿命は100歳を超してしまうということです。

しかし、外敵から完ぺきに身を守れても、生まれた時から潜んでいる体内の危険分子が私たちを狙っている訳ですから…となれば、細胞レベルで病気を倒す部隊が今度は必要になるわけです。

求められるのは、パワーと知能を備えた小さな戦士たちです。未来の医療はITC分野となり、血管に常駐する医療ロボットが癌さえ治療するようになるのです。これがナノ医療です。

実はナノ医療は以前から存在していて、皆さんが知っているワクチンがまさにそれです。

弱いウイルスで免疫システムを刺激して、抵抗力を強化しているナノ医療の代表でもあるのです。しかし、ワクチンを超える画期的な治療法が開発されました。

人間の体内で待ち受け侵入者を感知すると、即座に退治する細胞です。

ナノロボットの一団が遺伝子疾患や癌、アルツハイマー病を根本から撃退するのです。

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カリフォルニアのエイムス研究センター(NASA Ames Research Center Astrobiology & Life Sciences Laboratory)は、体内を偵察するナノカプセルを生み出しました。

これがNASAのバイオカプセルです。20160211

デビッド・ロフタス博士(David J. Loftus M.D)は、次世代の延命医療を牽引している第一人者です。

博士は、バイオカプセルは、いわば、細胞を運ぶ輸送機だと言います。バイオカプセルに乗せて細胞を生きたままの状態で体の各部に届けるそうです。

もともとは、宇宙飛行士のために開発され、体内をモニターしながら、病気を見つけると患部に薬を届けて治療するようにプログラミングしている。つまり、24時間、体を巡回する小さな病院です。

カプセルの中には、飛行士の健康を脅かす物質に反応するように操作した細胞を入れておきます。

予定では、大腿部か上腕に埋め込む予定で、体内の過酷な環境で生き延びるよう、カプセルはカーボンナノチューブで出来ています。

鋼鉄より頑丈な素材です。

また、体内で化学反応を起こす心配がないので、カプセルの中の細胞を本人の免疫システムの攻撃から守ことも出来るのだそうです。

カーボンナノチューブの直径は、砂の粒子の1千万分の1しかありません。極めて高い柔軟性を持ち,思い通りの形に成形でき、現時点では、病気と闘う頼もしい存在として、大いに期待されています。

たとえば糖尿病の治療のため、インスリンを投与するようにプログラムすることも可能です。また、癌を破壊する物質を送り込むこともできますし、アルツハイマー病の治療にも役立つと言います。

http://www.nasa.gov/centers/ames/about/impact-technology.html

一方、スタンフォード大学では、血管を巡回する超小型ロボットが開発されていますし、近い将来、ナノテクノロジーを用いた機器が体内を動き回るようになるでしょう!

ダウン症や膿胞性繊維症、ハンティントン病、アルツハイマー病などの遺伝性の病気も発症よりはるか前に、遺伝子の異常を感知し治療出来るのではないでしょうか!

近未来には、従来のような医療を施し、治療するという感覚は大きく変わることになると言えます。今後は病気に気づく前に、投薬されるようになり、予防と保全が中心になるということです。

“診察ではなく修理というような感じでしょうか…”

私たち自身より、体内の機器をいじることが治療になるとデビッド・ロフタス博士は言います。

赤ん坊たちにポリオの予防接種を受けさせるように、誕生と同時に極小の機器を埋め込み、生まれた時から守ってもらうわけです。

とても小さなトランシーバーやアンテナがついていて、ワイヤレスでアップロードすることで、常に最新の状態を維持させることも可能です。

実は、バイオカプセルは映画の世界からの発想なのです。皆さんはアイザック・アシモフ脚本の1966年の映画“ミクロの決死圏”をご存知ですか、医療チームを乗せた潜水艇のようなカプセルをミクロ化して体内に注入し治療するというストーリーです。その半世紀前の映画が、今、現実化したということです。

https://www.youtube.com/watch?v=9AKvEE_Gj7Y

2040年の世界では、70歳は若者で、シニアは115歳からになるかもしれませんね!

ナノテクノロジーが病気のない時代をもたらすのです。

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南カルフォルニア大学(USC)アリスパーカー博士(Alice C. Parker)は、ナノテクノロジーを用い神経細胞の活動や神経回路、シナプスの働きをコピーしています。

http://ubiquity.acm.org/article.cfm?id=1183085

脳には膨大な数の神経細胞があり互いに接続しています。この複雑な構造を正確に再現できる技術はナノテクノロジー以外にないと博士は言います。

1,400gの脳内では1000億もの神経細胞と兆単位のシナプスが情報を処理、蓄積しているわけですが、そんな脳の働きを人工的に再現しようとするなら本物と同じぐらい極小の部品を作る必要があるからです。

そこで博士は、世界で最も小さなトランジスタを作りました。使った素材はカーボンナノチューブです。

神経細胞のシナプスを真似たトランジスタを作るのにナノチューブを使用したのです。20160212

実際に試してみると、人間のシナプスと同じような反応を示したそうです。

私たちが何かを考えると、シナプスが電気信号を発するのと同じように、ナノチューブも電気信号を
送信し、情報を伝達することが確認できたと報告しています。

今後、脳に匹敵する複雑な構造を再現できれば、私たちのコピーとなりうるかもしれませんね!

しかし、最も難しいのは、人の核ともいえる「人間らしさ」を加えることでしょう!

人工脳が本物と比肩するには、まだ決定的に足りないものがあるのではないでしょうか。20160213

自意識や意欲、自我です。たとえ、それらの問題が解決しても、完成したばかりの人工脳は初期状態にあって、何も思考することすら出来ないのでは、出来上がった脳は生まれたばかりの赤ちゃんのような脳なのではないでしょうか、まっさらな状態ですから学習も必要でしょう!

しかし、この技術を使って、脳の損傷した神経細胞を入れ替えることが出来たら、頭の中の情報も残存している状態までの記憶や人生経験を維持することが出来れば、アルツハイマー病やパーキンソン病の患者にとっては、希望となるのではないでしょうか!

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