2015年10月2日シルバー新報に掲載されました。

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2015年10月2日シルバー新報に認知症高齢者研究所の定期巡回サービスが掲載されました。

以下、記事抜粋

海外在住家族もケアに参加 いつでも見守り、安心感

場所を選ばず「つながる」ことができるのがICTの強み。それは遠距離介護でも大いに威力を発揮する。
横浜市で定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを提供する認知症高齢者研究所では、独自に開発したクラウド型情報共有システムとスカイプ(インターネットのテレビ電話)を使い、海外で暮らす家族もケアチームの一員として介護に参加した。
いつでも親の健康状態を見守ることができる安心感で精神的な負担が軽減されたという。
こんな事例が増えていきそうだ。

「お母さん、今日はいつもより食欲があったみたいね。水分もちゃんと摂れているから安心したわ」
「痛いところもなくて調子がいいのよ」

30年前からドイツで暮らしているK子さん(62歳)は、ほぼ毎日のようにスカイプを使い、日本で在宅介護生活を送る母親のSさん(85歳)と会話する。Sさんは昨年12月に末期の膵臓がんと診断されたが、できるだけ自宅で療養したいと望み、往診や在宅介護を利用しながら認知症の夫とともに暮らしている。
親を案じて日本に帰国するかどうか悩んだK子さんがドイツに残ることを選んだのは、認知症高齢者研究所が運営する定期巡回サービスと出会ったからだ。もっと正確に言えば、同事業所が「KCIS(ケーシーズ)」という情報共有システムを導入していることにある。

KCISとは、代表の羽田野政治さんが研究し、確立したケアの方法論・キョウメーションケア(Kyomation Care)を実践するために独自に開発したシステムで、介護職や医療職が行ったケアや治療、薬の処方、そして本人の睡眠サイクルや排泄リズム、食事・水分摂取の状態、精神機能のレベルなどを日常的に記録する。その定時的な変化と、最も利用者と接する機会の多い介護職が入力する観察項目によって、病気の進行や予後を予測しながら、根拠のある予防的な対応ができるようにしたものだ。
羽田野さんが10数年にわたり800万件以上の事例を分析した研究成果がもとになっている。
KCISはインターネットを通じてソフトやデータを一元的に管理できる「クラウド型」を採用。
定期巡回で利用者にかかわるケアマネジャーを始め、ヘルパー、医師、訪問看護師、薬剤師など全ての専門職が常時どこからでも書き込みや、データの確認ができるため、状態の変化に応じて柔軟にサービス内容を見直す定期巡回では、より効果的に活用することができる。
「娘のK子さんもKCISに参加してもらえば、ドイツに暮らしているままでもお母さんの様子を常に把握することができる」
そう思いついたケアマネジャーの梶原千津子さんがK子さんに提案し、ドイツからの遠距離介護が始まった。K子さんは毎日記録を確認し、ヘルパーが記入したコメントなどに対して感謝の言葉を送ることもたびたび。遠くにいても手に取るように母親の状態が分かるため、テレビ電話での会話も冒頭のようになるまで一緒に暮らしているかのようになるというわけだ。
Sさんは容態の悪化で入院し定期巡回は終了したが、K子さんは「少しでも母の介護を手助けできたのが救いになった」と話したという。
「家族には直接的な介護だけでなく、精神的な支えになれるという大きな役割があります。ICTの活用は様々な可能性を持っていると思います」

 

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