Science Park 2025 新春特別号 新たな日の出

新たな日の出

非常に高温で暗く無秩序だった初期の宇宙から、突然、何兆個の星が生まれ瞬間です。

ビックバンは…適度な加減で爆発し、重力や時間を生み出しました。

しかし、物質を作るには高温すぎたので、宇宙の誕生から38万年後のある時点まで、宇宙の温度が、下がりませんでした。

しかし、突然、下がり始め物質が誕生したのです。

宇宙の温度が下がらなければ、私達も他の物体も、存在することは出来なかったでしょう!

最初に生まれたのは、最も基本的な元素である水素とヘリウムの原子です。

しかし、その誕生は、ターニングポイントではないのです。水素とヘリウムは、構成要素にすぎなかったからです。

どんな物質の間にも引力が働くため、水素とヘリウムの元素が引き寄せられて巨大な雲を作り、現在の宇宙へと変わり始めたのです。

いわば、重力は宇宙の彫刻家ですね!

重力によって初期の宇宙に密度の高い部分が出来、宇宙の大規模構造の形成へとつながりました。

銀河群…銀河団…超銀河団を…

巨大な空洞の中に、皆さんが見上げる宇宙が形成されてきたのです。

これこそ、ターニングポイントが作ったマクロエンジニアリングという宇宙創造の大規模構築プロジェクトではないでしょうか。

その大規模構造の中で、水素とヘリウムからなる何兆もの小さな雲の集まりが、水素がヘリウムより軽いために徐々に回転を始めます。

それらの雲の群衆が重力によって、衝突しながら凝縮していくと、雲の中心部の温度が上昇して密度が高まり、そして、巨大な雲の中心が、およそ1千万度という温度に達すると、核融合反応が起きるのです。

こうした条件のもとで、臨界量の原子が集まり温度と圧力が高まると…恒星の誕生です。

その瞬間まで、宇宙には光を発生するものは1つも有りませんでした。

何もない宇宙に光輝く星の誕生です。

これこそが…新たな日の出ともいうべき、素晴らしい未来へと歩み始めた”夜明け”かも知れませんね!

太陽は約46億年前に形成されたとされているのですが、放射性同位体の年代測定や宇宙の観測データを基にした天文学的な推定では、今年で、宇宙歴45億6,723万と西暦を加えて、、2,025歳ということで、4,567,232,025歳になります。

太陽系が形成され、その後の長い年月を経て地球や他の惑星が誕生したわけで、宇宙の壮大な歴史を感じると、私たちの日常がどれだけ短い瞬間であるか実感しますね。

恒星が生まれる前、宇宙のエネルギー源は、ビックバンしかなかったのですが、ようやくエネルギーや熱や密度の高い場所が宇宙全体に散らばり、暗闇の宇宙に第一世代の恒星が、初めて宇宙を明るい光で照らした瞬間でした。

しかし、そのエネルギーは徐々に減少して、燃え尽きてしまったのです。

これが、第一世代の恒星の死です。

私達が生まれてくるために必要不可欠な、複雑な元素の合成へと進むための“死”でもあったのです。

恒星進化論(星の一生)

死を迎えた恒星の中心部では、単純な元素が融合し、より大きく複雑な原子へと変わります。

水素とヘリウムから、新たな元素が生まれ、現在の宇宙に近づいてきたわけです。

恒星の中心で水素が足りなくなると、温度がどんどん上がり、ヘリウムがより複雑な元素へと変わり始めます。

皆さんが知っている周期表にある元素が次々と合成されてくるのです。

命を終える恒星の一つひとつが、元素の製造工場となり、元素の生成に最適な環境を作りだしたのです。

それにより、宇宙は変化していきました。

つまり、恒星は核融合反応で合成され元素を、次の燃料として使うわけです。

水素HからヘリウムHeへ…ヘリウムから炭素Cと酸素Oへ…炭素と酸素からネオンNeとマグネシュームMgへ…さらにケイ素SiとイオウSが…そして鉄Feへと生成されていったのです。

120億年以上前に、恒星が生み出した元素により、私達の誕生に至る全ての出来事が実現可能段階に入ったということです。

しかし、死にかけている恒星には鉄より重い元素を生成するエネルギーが無かったので、死をもって超新星爆発を起こす必要があったのです。

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das_id=D0005410022_00000

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その結果、高温、高圧状態が生み出され、鉄より重い元素が構成され、やがて金Auが生成されました。

そのためには、超新星爆発の残骸である中性子星同士の衝突による爆発も必要になります。

衝突で生成された新しい元素が宇宙に噴き出すと、第二世代の恒星をつくり出す雲となったのです。

この過程が繰り返され、さらに多くの元素が生まれ私達が生まれてきたのです。

基本的には元素の周期表をたどっていくと、合成された順番や合成することの難しさ、合成にどれほど多くのエネルギーが必要か、なども分かります。

私達もどれほど複雑な元素の合成から出来ていることに驚かされます。また、元素には、豊富にあるものと希少なものがあります。その量が、私の誕生への時間に大きな影響を与えることにもなったのです。

例えば、私達に必要な金の合成には多くのエネルギーが必要で、金が合成されるような事象は奇跡的な出来事でもあるからです。

寿命を終える恒星から、鉄、ニッケル、カルシュームなど、地球のような岩石惑星を作る物質が充分に合成されるまでにも、計り知れない時間を掛けなければならなかったのです。

恒星の誕生から数世代は、地球のような惑星も生命も存在することは出来ませんでした。

しかし、ビックバンから数十億年後、より新しい世代の恒星が現われたのです。

138億年前のビックバンから約1億年後、宇宙はまだ非常に若く、温度も高かった時代がありました。

この時期に初期の星や銀河が出現し始めました。その後、宇宙は進化を続け、現在見られるような様々な星や銀河が形成されました。

科学的な研究によると、最初の星形成はビッグバンから約1億年後、銀河の形成は約10億年後から始まったと考えられています。

太陽系のような第2世代、第3世代の星系は、ビッグバンから約80億年後(つまり約58億年前)に形成され始め、地球のような岩石惑星を作るだけに充分な鉱物や金属が出来てきたのは46億年前なのです。

本当に、驚くべきことです。

太陽にある元素が、存在できるようになるまでに、少なくても2世代の恒星系が生まれて死ななくてはならなかったのです。

私達の体の中にある元素は、このように、恐ろしくて長い過程を経てきているわけです。

初期のターニングポイントをみると、宇宙初期の原子が週十億年かけて生まれ、変わってきたことが分かります。

ある元素から別の元素へ、恒星から超新星へ、宇宙初期に発生した単体の原子から、現代を形作る元素迄、私達の体内にある原子には、130億年の時間が詰め込まれているわけです。

それらが構成要素となって、宇宙の暦に於いて、最も神秘的なターニングポイントへと導かれるのです。

ついに、私達の誕生に繋がる“時”が来た瞬間です。

45億年前、古い恒星が寿命を終え大爆発してから、宇宙歴45億6,723万2,025年

大きな衝撃波が近くにあるガスと塵の雲にぶつかり、雲を回転させ始め、それが重力で収縮すると、原子星となり中心温度は一千万度まで上昇、古い星の残骸から水素73.4%、ヘリウム24.4%で作られた新しい恒星、“太陽”が光り輝いたのです。

そして、その周りに生まれた8つの若い惑星を照らしだしました。

これまでと同様、驚くべき出来事が重なり、ついに私達の誕生となるターニングポイントへと進んできました。

それは、果てしなく大きなジグソーパズルをつくるように、生命を維持できる“ガイア”地球を形成していくことになります。

まず、巨大衝突が起こり、その衝突で地球の周りに気化した岩石の巨大円盤が出来、それが急速に集結して“月”を形成しました。

幸運なことに月は、太陽系で最大級の衛星になりました。

月の重力は地球の動きに影響を与えるほど強く、安定した気候と、予測できる季節をもたらしたのです。

もし、月が存在しなかったら、地球の自転軸は大きく変動し、激しき傾いていたことでしょう!

そうすれば、地球の気候は大きく崩れます。

私達“ヒト”のように複雑な生物が進化することは、出来なかったでしょう。

月が安定をもたらしても、若い地球は、まだ生命の棲家にはなれませんでした。私達の生まれるターニングポイントに進むためには、水が必要だったからです。

水の殆どは、巨大な衝突の熱で蒸発してしまったのですが、しかし、混沌とした初期の太陽系に助けられたのでした。

41億年前から38億年前の期間に小惑星帯の外側から、水を豊富に含んだ小天体がやってきて、地球に多くの水をもたらしたのです。

この頃を後期重爆撃期LHB: Late Heavy Bombardment, lunar cataclysm,と呼んでいます。

皆さんが飲んでいる水は、およそ40億年前に小天体があなたの為に運んできてくれた贈り物なのです。

つまり、小天体によって、地球に海がもたらされたのです。そして、その海の底で、最も神秘的なターニングポイントが起こったのです。

生命の始まりは、隕石や彗星とともに地球にやって来たという研究者もいます。

正しく言えば、彗星などに含まれた水、その水のよってつくられた海、その深い海の底で、化学反応によって始まったと考えるのが、最も自然的な考えです。

深い海の底、地球の中心部から上昇する熱が、海底を突き破り、超高温のガスとマグマが、その割れ目から吹き、生物の誕生と進化に火をつけたのです。この熱水の中で、新種の化学反応が起こりました。

この後、存在すことになる全ての生物の設計図が作られたのです。

DNAという暗号、AGCTというわずか四基の塩基が、無数の配列を作り、一つひとつの細胞にあらゆる指示を下したのです。

始まりはバクテリア、最も単純な最古の生命!

海底火山の噴火で発生するエネルギーと熱を餌にして、原始的なバクテリアが誕生しました。

地球最初の生命が現われたのは、巨大な海底山脈のそばだと考えられているのです。

生命は宇宙で唯一、情報の保存と伝達、自己複製、進化が可能な存在です。

しかし、どのように単純な微生物が、人間のように複雑な生物へと進化して行ったのでしょうか!

バクテリアから人間に続く、神秘的な変化の連続性や無限にある可能性の中、私達へと続く道はひとつだけだったのです。

5億4千2百年前、最初の生命であるバクテリアが現われてから30億年後、カンブリア爆発が起こり、海は複雑な構造を持つ植物や動物で溢れかえりました。

将来存在することになる基本的な体の部位、頭、口、目、手足へと進化するヒレ、あご、歯、それらすべてが突然現れたのです。

4億7千5百年前には、植物が陸上に広がり、豊富な食料と棲み処のある緑豊かな森の世界へと地球を変えたのです

海の捕食者を避け、陸上に這い出てくる生物も出てきました。

当初は繁殖のために海へ戻らなくてはならなかったのすが、陸地で生きるために、あるもので海水を運び出すようになったのです。それは“卵”です。

海から陸地へと這い出してきたとき、一部の生き物は、小さな空間に少量の海水を貯める

ことのできる硬い殻を生むことを覚えました。

鳥類や爬虫類がそうです。

卵は需要な進歩でした。そのお陰で動物は地上へ永住し、進化を続けさらに複雑になりました。ところが、地球上のあらゆる生物を支配するある法則がありました。

それは、複雑になればなるほど“弱くなる”という法則です。

単純なバクテリアは、寒さや熱、圧力や乾燥にさらされても、生き延びられるのですが、

“ヒト”のような複雑な生物には、生き延びることは出来ないのです。

気候の劇的な変化や、火山による大気汚染、古代隕石の衝突に地球が襲われると、生命は絶滅という究極の恐怖に直面してしまうのです。

複雑な生物の出現以降、半数以上の生物が死に絶えた、大規模絶滅は5回もあるのです。

しかし、絶滅によって新種の生物が進化、繁殖するための環境が創られていくことになりました。

それが無ければ、私達の誕生へは辿り着けなかったのです。

ひとつでも、種が絶滅すると、生態系の構造が変化してしまうからです。

例えば、皆さんがよくご存知の破滅的変化である、1億6千5百万年続いた恐竜の時代を一瞬にして終焉に導いた、今から6千5百年前の巨大な小惑星の衝突!

そのお陰で、実は、哺乳類の時代へと生態系が変化した瞬間でもあるのです。

私達の時代の到来です。

でも、一歩間違えば、この時代は来なかったのです。

30億年以上にもわたる、思いもよらない幸運の積み重ねが、今の私達なのです。

2025年元旦、この幸運な日を迎えられたこと…そして、今、生きていることに感謝して!

今年は、未来の命を絶やすことがないよう…皆で未来を築く年にしましょう!

私達の初日の出“太陽”です。

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