Science Park火星大接近特別号

~生命の誕生の神秘と地球外生命(前編)~

15年ぶりに火星が地球に最も接近する2018731日は、夜空を見上げて、天体ショーが楽しめそうですね。

地球に最も近づく、731日から8月いっぱいまで、火星が明るく大きく見えるようになります。

普段は天体望遠鏡を使ってもなかなか見えない火星表面の模様が見えるなど、大接近は惑星を観察する大チャンスでもあります。

さて、前回のパンスペルミアと呼ばれる仮説によれば、生命の存在する惑星に隕石や小惑星が衝突すると、岩石の破片などが宇宙空間に飛び散り、それが、ほかの惑星に到達するという学説でした。

今回は、「生命の誕生の神秘と地球外生命」について、前編と後編の2回に分けて考えてみました。

さて、パンスペルミア説を証明するべき、宇宙からやってきた岩石の破片のひとつが、小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星1999JU3「リュウグウ」ということですが地球には時々火星から隕石が飛来しているのをご存知ですか?火星から飛んでくるはずはないと思うかもしれませんが、空間上では、モノの移動は実際に起きているわけですから、宇宙空間であったとしても…おかしくはありません。

ただ、現在は、火星を始めとする太陽系惑星には、生命の存在は確認されていません。しかし、水がある木星の衛星であるエウロパや土星の衛星、タイタンとエンケラドスには生命体がいる可能性は、誰も否定できません。

では、私達の太陽系の外から、本当に生命が飛来する可能性は、考えられるのでしょうか…実は、宇宙から来た地球外生命体は、今も、地球の大気の中を浮遊し、地球に降り注いでいるというのです。

地球の生命の祖先は、数十億年前に宇宙から飛来したというパンスペルミア説ですが、ここで、疑問になるのが、過去に生命体が隕石に乗って飛来したというのなら、現在も同じように降り注いでいるのではないかという事です。

実は、地球外生命体は今でも雨のように地上に降り注いでいるという学説もあるのです。

ここで、生命体について少し考えてみましょう。

地球は生命に満ち溢れています。

しかし、数十億年前、この星は解けた熱い溶岩の塊でした。

最初の生命は、煮えくり返る有機物の液体「原始の海」から誕生したのでしょうか、それとも、この時期に宇宙から「生命の種」が降り注いだパンスペルミアによるものでしょうか?

単純な有機物は、どのように生命分子に変化したのでしょうか、そして、どのように人間に進化していったのでしょうか?究極の謎ですね…

皆さんも、虫眼鏡で火をつけた経験はあると思います。

 

小さい頃、太陽の力で火がつくことに驚いたものです。

これと同じようなことが、週十億年前に地球で起き、火花が無機物を有機物に変化、成長、再生、進化が可能な生命体になったのではないと私は思っています。

しかし、進化論には定説がありますが、生命の起源に関しては定説がないのです。

無機物がどのように有機物になったのかは、まだ、分かっていないわけです。

そこで、生命の起源の謎を解き明かすため、時をさかのぼり進化の過程を逆回しにして、最初の生命が現れた場所に戻ってみることにしましょう。

40億年前の太陽は、今よりも温度の低い若い星でした。地球は高温の溶岩で覆われた表面が・・・固まり始めたところです。

ハンスペルミア説を裏付けるかのように地球全体に無数の彗星や大型隕石が絶えず降り注いだ後期重爆撃期の結果、地表は凄まじく破壊されました。

これは、地質学的には冥王代とも言われる時期です。

http://www.hadean.jp/

「地獄の時代」という意味です。

今よりも地球のそばにあった月は、大きく夜空に広がって見えていたはずです。

空は赤みがかり、海は鉄鋼物を含み深緑色で満たされているなど、生命が存在しない地球は、まるで別の惑星のようでした。

しかし、この時期にも生物は存在していたのではないでしょうか?

なぜならば、今日の地球でも、過酷な環境に生息する微生物がいるからです。

灼熱の砂漠、極寒の氷河、深海、地底、高い山など、何処にでもいます。

実は、50㎞の上空、地球の対流圏の上にある成層圏でも生命は存在するというのです。しかも、最近になってから発見が続く遺伝子の病であるアルツハイマー病の危険因子と言われるアミロイドβの蓄積に関連する遺伝子ApoE4(アポリポ蛋白)などは…

トランスポゾンによって引き起こされ…そのトランスポゾンはアイソフォームの構造を変えてウイルス、微生物の粒子に乗って成層圏から飛来したのではないかという説まで飛び出したのです。

http://tottori-iryo.jp/files/medical_pdf/kikanshi/kaisi10-1(12).pdf

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/otamaboya/3-3.html

宇宙からDNAが降ってくるとは、驚きです。

その説には、こんな都市伝説も有ります。

1906823日に発見された太陽系の周期彗星コプフ彗星は、6年周期で地球に接近している彗星で、ダストの密度が非常に濃いことで知られています。

その当時、アルツハイマー博士が発見した記憶や認知に障害を伴う脳の病気も1901年に嫉妬妄想などを主訴とした症例が発見され1906年に発表されています。

その後6年周期にアルツハイマー病の患者が増えていると言うのです。

ちなみに直近のコプフ彗星の接近は20151025日、翌年のアルツハイマー病の発症率を調べてみる価値はありそうですね…あくまで都市伝説であって、因果関係は無いと思いますが!

むしろ、議論を呼んでいるのは、その粒子が地球のものではなく、彗星によって運ばれた宇宙から飛来したものだということです。

この説を裏付けるようにサンプルを採取した高度と見つかった粒子の大きさを比べると、地上から成層圏に到達することはありえない高さなのです。

これは、物理の法則から導き出される反論の余地のない事実でもあります。

しかし、懐疑的な人たちを納得させるには、更に多くの地球外生命体を捕らえるしかないでしょうね…宇宙から微生物がやって来ていることを証明するために今も成層圏までバルーンを上げる実験が続いているのです。

一方、生物についていえば、今日でも噴火口周辺に微生物が生息しているように、当時、地底や深海にいた微生物が過酷な環境を生き抜いた可能性は否定できません。

後期重爆撃期は、古代の微生物にとっては好都合だったかもしれません。

隕石が降り注いでいる間は、海底などの過酷な環境に避難場所を見つけだし、隠れていたでしょう。そして、38億年前に後期重爆撃期が終ったとたん、地球上の何処であろうと独占状態で生息し始めたと思います。

http://www.seibutsushi.net/blog/2012/05/1298.html

そして、ハンスペルミア説でいう隕石や彗星に乗ってきた地球外生命と生き延びた微生物が同化して、新しい進化が始まったのではないでしょうか。

トランスポゾンも同様に、こうして細胞内のゲノム上に転移したと考えるのはどうでしょう…しかし、この仮説では、地球で生命が芽生えた時期や場所は特定できますが、どのように始まったのかは分かりません。

原始生命の進化に関する最初の実験的検証のひとつであるユーリーミラーの実験を思い出します。

誕生直後の地球の環境を再現する実験です。

結果は「生命の起源」の研究に突破口を開きました。この実験に使われた器具は、水とフラスコです。1のフラスコは沸騰した海を模試したもので、複数の化学物質が溶けた水です。2のフラスコは、その水の蒸気を、大気圏を模したフラスコに送ります。大気のフラスコの中には電極があります。

電極に放電すると大気で雷が起きたのと同じ状態になります。

上記は大気のフラスコを通って、冷却装置で凝縮されると、3の管を通って水の入ったフラスコに戻ります。

この実験を7日間続けたところ、すると海を模したフラスコの中では、液体は次第に赤茶色くなっていきドロドロとでしたシアン化水素を大量に含む有毒成分が発生し始めました。ところが、赤茶色い液体の有毒成分には、アミノ酸が含まれていたのです。

アミノ酸は生命に不可欠な物質、たんぱく質の基本的な構成要素です。

タンパク質は骨、皮膚や髪の毛など、私達の体の様々な部分も作ります。

しかし、この実験から得られたサンプルの中に、タンパク質を作るために結合したアミノ酸は、まだ見つかっていないからなのです。

生命を構成する複雑な分子、ポリマーは、単純な分子、モノマーから成り立っているわけです。

そのモノマーを作り出せたとしても、どのようにモノマーを組み合わせれば、生体機能を持つポリマーを作り出せるのか、いまだにわかっていないのです。

やはり、地球で生命を芽吹くには、宇宙の彼方から時速3万㎞でやってくるモノが必要なのかもしれませんね。

生命の種を運ぶ「彗星」です。

 彗星、それは太陽の周りを回る山のように巨大な氷と岩の塊です。

1999NASAの彗星探査機、スターダストは、ヴィルト彗星(81P/Wild)のコマから採集したサンプルを携えて2006年地球に帰還しました。

サンプルを分析した結果、アミノ酸が含まれていることが分かったのです。

問題は、彗星に含まれる有機化合物が地球に衝突するときの高温や高圧状態でも生き延びられるのかということです。

殆どの彗星は、地球の地表に衝突する前に燃え尽きてしまうか蒸発してしまいます。

ところが、地球をかすめる場合は、彗星は燃え尽きません。

解けた氷の水とアミノ酸を原始の地球に大量にもたらした可能性があります。

15度の角度で接近する彗星は、大量に水を失いますが、全体の2割ほどは水を維持することが分かっています。

このような状態が、今でも頻繁に起こっており、地球外生命体が飛来していると考えている理由です。

しかし、超高度の地球外生命体をどのように捕獲したらよいのでしょうか。

そこで、現在では、成層圏に向けてバルーンを飛ばして調査しているのです。

上空24㎞に到達したバルーンは、採取用のトレイを出し電子顕微鏡用のシートにサンプルを採取します。

成層圏では、大気圧が非常に低いため、バルーンはどんどん膨張していき、やがて爆発します。こうしてサンプルは地上に戻ってくるわけです。

この写真は2013年に採取されたサンプルを写したものです。

しかし、ここに写っているのが地球外生命体だと言えるでしょうか?

この生命体と言われている物体の大きさは、わずか30μmしかないのです。

最初に見た時は、ただの花粉じゃないのかと誰もが思うでしょう。

しかし、成分を分析したら、なんとチタンで出来ていたのです。

チタンで出来ていれば、高温や高圧にも耐えられます。

一方、殻から突き出している部分は、

炭素と酸素が主成分から出来ている有機物質です。

チタンの殻を持つ生物など、見た事も聞いた事もありません。

さらに重要なことは、この生命体が、かなりのスピードで飛来してきたことを示唆する衝突の跡があることです。地球由来の生命体ではありえない証拠です。

そこで、考えられるのが、やはり彗星だということです。

温度と水分や有機物質の量が生命体を運ぶのに適合している彗星がまき散らす塵の中に、地球外生命体が本当に居るのかもしれません。

しかも、原子宇宙の時代から飛来していることを考えれば、現在、トレイに地球外生命が捕獲できていたとしても、地球の生物と見分けがつかない可能性もあります。

パンスペルミア説でいう数十億年前から来ていたのなら、私達と部分的に同化しているからです。

しかし、宇宙からやってくる生物が奇抜なものであるとは限りません。地球外生物が昔から地球にいるとしたら、もう私達の生態系の一部になって、アルツハイマー病のApoE4をもたらしているのは、数百年前に飛来したコプフ彗星の塵に乗ったトランスポゾンによって惹き起っている可能性だって否定できないかもしれませんね。

この写真は、架空の生物でも太古の怪物でもなく、現実に存在するバクテリアです。

深海の熱水噴出孔付近に生息しており、消化管を持たずヘモグロミンを炭素化合物に変換する細菌で、直接炭素化合物を吸収しているのです。まるで地球外生物と言ってもおかしくありません。もしも、トランスポゾンが地球外生命体だとしても、遺伝子レベルですし、塵や雨によって地球に飛来する地球外生命体は微粒子ばかりだとは限りませんから、新たな進化や変化、病などは次々と起こってくる可能性もあります。

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では、その生命体には、意思や思考などはあるのでしょうか、トランスポゾンに意思があるのでしょうか。

次回は、地球外知的生命について考えてみましょう。

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