Science Park~トランスポゾン配列が認知症の発症を紐解く~

★認知症は感染するのか★

 

40歳を過ぎて疲れがとれにくくなったことを実感されていませんか?

活性酸素が体内の細胞を酸化させるのが老化の正体だと言われていますが、この酸化を抑える働きのある酵素は40歳を過ぎると激減するのです。

最近では、この遺伝子に秘められたプログラムは、生活習慣の改善のきっかけづくりに役立つと思われています。

実は、それだけではないのです。

40代から認知症予防も始めなければならないということ…

アルツハイマー病はβアミロイドとよばれるタンパク質が脳内に蓄積することが原因とされていますが、このタンパク質は、アポリポタンパク質Eの変異型であるApoE4によって、脳内でβアミロイドタンパクを凝集させ、線維化を促進させているのです。

しかも、遺伝的要因が大きく影響して発症の25年も前から脳内で始まっているのです。

発症の25年前…

つまり40歳を過ぎたら認知症予防を視野にいれたライフスタイルに改善する必要があるということです。

生活習慣病も認知症やら、どれもこれもが遺伝子の仕業のようですね

ApoEは主として肝細胞で産生され、全身の他の臓器へのコレステロールや脂肪酸の運搬に関与しています。アポリポ蛋白EApoE)は、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL) の各種類があり、リポ蛋白を構成している主要なアポリポ蛋白の一つでもあるのです。

1991年、アルツハイマー病の老人斑や神経原線維変化にApoEが検出されたことから、 ApoEがアルツハイマー病の何らかの役割を果たしている可能性があるのではないかと考えられました。

更に1993年のは、ApoEの対立遺伝子ApoE4の頻度が家族性アルツハイマー病で高いことやApoE4の遺伝子数が増加するほどアルツハイマー病の発症年齢が低下し、発症率が増加していることが分かってきました。

また、ApoE4は家族性だけではなく、孤発性も含め広くアルツハイマー病全般において高いことが明らかとなりました。

しかし、ApoE4以外の遺伝型を持つアルツハイマー病患者が存在することやApoE4を持っていても発症しない場合もあることから、ApoE4の遺伝型を持つことはアルツハイマー病の直接的な原因ではなく、現在では、強力な遺伝的危険因子として理解されているのです。

しかし、その発症メカニズムに関与する明確な解答は未だ得られていないのです。

ApoEは、もしかしたら宇宙からやって来た由来の分からない未知の生物かもしれません。

DNA配列トランスポゾンが関与していたら、こんな観点からアルツハイマー病の発症メカニズムについて考えてみましょう…

ApoEは、宇宙から届けられた人類最後の感染症だとしたら!

しかし、もう人類にとっては、手遅れかもしれないとしたら、怖いですね!

誰もが未知の生命体ApoEに感染しているかも知れないわけですから…

しかし、感染源が宇宙と言ったので驚きましたか?

宇宙からやってきて…雨とともに降り注ぐ、この侵入者は、生命体の遺伝子を感染させるのです。

その生命体を私達は生命と認識は出来ないでしょう。

私達の行動が監視されている可能性もあります。

未だに見つからない地球外生命体は、意外な場所にいるかもしれないのです。

たとえば、私達の体の中に・・・

宇宙は私達の想像を絶するほど、広大です。

無数に存在する銀河のそれぞれに、また無数の星が存在します。

地球にしか、生命は存在しない・・・そう断言することは誰にもできません。

もし、地球外生命が存在するならば、果たしてどこにいるのでしょう。

今まで、人は空を見上げてきましたが、地球外生命は、身近にいるのかもしれません。

この世界の・・・あるいは私達の中に・・・

人間の体内には、外から入ってきたウイルスや細菌が“ごまん”といることでしょう。

しかし、私が注目しているのは、もっと恐ろしい侵入者です。

このDNA配列の名は、トランスポゾン・・・トランスポゾン (transposon) は細胞内においてゲノム上の位置を移動 (transposition) することのできる塩基配列なのです。

動く遺伝子、転移因子 (transposable element) とも呼ばれていて、DNA断片が直接転移するDNA型と、転写と逆転写の過程を経るRNA型があります。

トランスポゾンという語は狭義には前者のみを指し、後者はレトロポゾン (retroposon) と呼ばれています。レトロポゾンはレトロウイルスの起源である可能性も示唆されているのです。

進入した生物、つまり宿主のゲノムに自らのコピーを組み込む配列ということです。まさに侵入者です。

トランスポゾンは、次々とコピーを複製していきます。

この複製は、宿主の細胞自身の複製とは関係なく、はるかに速いペースで行われます。

人間だけではありません。

地球上の殆どの生き物は、トランスポゾンを持っています。

トランスポゾンは、多くの動植物のゲノムで、最大の構成要素となっています。

まさに、まぎれもなく侵略者です。

私達のDNAは、はるか遠い祖先達から、脈々と受け継がれてきたものです。

その中には、祖先のDNAにこっそりと入り込んだ、トランスポゾンも含まれています。

時に、新たなトランスポゾンがDNAに入り込んでくると言うことは…

 

例えば、参勤交代の時代は、東京から大阪まで歩かなければなりませんでした。私は“ものぐさ”ですから、到底、大阪までは歩いていこうとは思いません。

かし、突然、蒸気機関車という新たな移動手段を私が獲得したら、大阪まで行けるようになるかもしれません。つまり、蒸気機関車がトランスポゾンで、人はそれに順応して活用するようになるのです。

その後、トランスポゾンはコピーしながら凄いスピードで車や新幹線、飛行機という移動手段を変えながら増えていき、当り前に順応していくのです。

このように私達の中に入り込んだトランスポゾンは、数を増やしながら、宿主のDNAと共に、受け継がれ、やがて、その生物種全体に広がっていきます。

今では、トランスポゾンが数を増やしていった結果、ヒトのゲノムのおよそ半分が、外からの侵略者トランスポゾンで溢れているのです。

トランスポゾンは粛々とゲノム上を移動し、変異を引き起こすことがあります。

トランスポゾンによる変異は、たいがい無害です。

トランスポゾンは、動物の免疫系の進化に於いても、重要な役割を果たしました。

私達の体を病原体から守る抗体を作る能力は、大昔にトランスポゾンによって、

もたれされたと考えられているのです。私達が存在するのも、そのお陰です。

しかし、トランスポゾンは災いを招くこともあります。

トランスポゾンは有害になることもあるのです。

自動車の運手時に目隠しをするようなもの、信号機のない新幹線に乗るようなものです。

トランスポゾンが原因とみられる遺伝子疾患は、100以上あります。

 

その中のひとつがApoE4によって、脳内でβアミロイドタンパクを凝集させて、線維化を促進させる認知症、アルツハイマー病なのです。

こうした有害な影響がもっとひどく出れば、ある生物が絶滅することもあり得るでしょう。

トランスポゾンは、ウイルスにくっ付いて細胞に侵入するのではないかと考えられています。

細胞への感染能力が高いウイルスにくっ付いていれば、労せずして新たな宿主の中に侵入できるというわけです。

細胞に侵入したら、次は宿主のDNAに入り込みます。

一度は入ったら二度と出ていきません。

それにしても、このトランスポゾンという、奇怪なDNA配列は、そもそも何処からやって来たのでしょうか。

ありふれているのに、殆ど何もわかっていません。

 

宇宙におけるダークマターのようです。

現在、私達のゲノムで幅を利かせている、この侵入者が本当に宇宙からやって来たとのだとしたら、他の太陽系惑星で生命が見つかっていない以上、このDNA配列は、遠く離れた他の恒星系から来たことになります。

しかし、生命にそんな移動が可能なのでしょうか!

実は、可能だと言う仮説があるのです。

次回は、その移動を可能にするパンスペルミア説(panspermia)、生命の起源に関する仮説のひとつで…生命は宇宙に広く多く存在し、地球の生命の起源は地球ではなく他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したもの…とする説のお話です。

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