2015年 日本認知症ケア学会

ドイツに住む家族介護者の心理的苦痛への支援

〜KCiSによる継続的アセスメントと遠隔介護・医療の実際〜

 

鈴木靖之1)   窪田俊1)   関香1)  梶原千津子1)  羽田野政治1)

1)認知症高齢者研究所

目的
近年は、健康機器のデジタル化促進と通信の融合により、介護職や医療職によって日々蓄積されるケア記録と連動することで継続的アセスメントとPHR:Personal Health Recordが可能となった。
そんなPHRの中でも、Big Dateに照らし合わせ分析することによって、最も有効であった介護・医療サービスを提案するシステムとして構築したのがKCiS:Kyomation Care Interface Systemである。
そこで、本研究はKCiSを定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスに活用して、日々の健康状態を継続的アセスメントにより身体症状と日常生活情報を海外在住(ドイツ)の家族が介護者としてリアルタイムで参加し、日本に住む両親の介護・医療・予防・健康管理を遠隔で参加した結果、日本に住む両親の様子や状態の変化及びKCiSを活用した安全なID・認証連携・情報流通を実現するPHRの効果や問題点などについて検証し報告する。

 

倫理的配慮

本研究の目的、個人情報保護の取扱いについては、事前に本人及び家族、サービス提供を行っている事業所に説明し文章にて了承を得た。

 

方法
A氏、夫、90歳、要介護2、アルツハイマー型認知症、高齢者の自立度A1、認知症の自立度Ⅱa。
B氏、妻、85歳、要介護1、膵臓癌(末期)、緑内障、高齢者の自立度Ⅱa
情報共有参加者
家族、医師、介護士と看護師、薬剤師、ケアマネジャーがKCiSを活用し支援した。

結果
医療や介護などが、地域連携により遠隔地(海外)で暮らす家族との情報流通の可能性が示唆できた。
遠隔地で住んでいる家族が情報共有システムを活用することで、介護に参加ができることは、今後の地域密着型において有用と言える。

考察

今回は、ドイツという遠隔地で時差があったため、家族のレスポンス(反応)に時間がかかった点は歪めなかったが、確実に情報共有が遠隔で行われ、家族の介護負担の軽減に寄与できたと考察できた。

 

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