平成26年 日本介護福祉学会

医療・看護・介護連携システム

—24時間地域巡回型訪問サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護)における情報共有システムの活用と実践—

 

○鈴木靖之(3369), 窪田俊(3578), 梶原千津子(2131),羽田野政治(2132)

1 認知症高齢者研究所


1.目的

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、単身・重度の要介護者であっても、在宅を中心とする住み慣れた地域で、尊厳と個別性が尊重された生活を継続することができるよう在宅の要介護者の日常生活を支えるために必要な介護・看護サービスを包括的かつ継続的に提供するものである。

したがって、適切なアセスメントとマネジメントに基づいて、介護サービスと看護サービスが連携を図り、短時間の定期訪問と随時の対応といった手段を適宜・適切に組み合わせて、1日複数回、必要なタイミングで必要な量と内容のケアを一体的に提供しなければならない。

そのためには、サービスの安定的な提供が必要であり、介護職と看護職が情報を共有しながら一体的にサービスを提供することが重要である。

こうしたサービス体制の継続化や人的資源の効果的活用の観点から、双方向通信が可能なICT(情報通信技術)を活用して実際に研究所が24時間の地域巡回型訪問サービス事業所を運営し、その在り方を検証した。

また、双方向の情報共有システムには、研究所が独自に開発したKCIS(Kyomation Care Interface System)を活用した。

2.期間

平成24年10月~平成26年6月(20か月)

3.方法

継続的なアセスメントに基づく1日複数回の訪問内容を各専門職が詳細にKCISに記録し、適切な食事内容の確保や、服薬の確認、排泄時の清潔保持や心身の状況の変化などの定期的または随時な確認が可能であるかを検証した。

加えて、KCISで客観的なアセスメントを情報共有しながら、本人・家族・介護職や看護職の専門職・専門機関によるチームで、ICTを利用して①利用者に対する定期的なモニタリングやアセスメントが多職種間で情報共有されるか、②訪問看護指示書に基づくサービス提供がスムーズに行えるか、③体調急変時の判断や医師との連携の応答時間や反応に役立っているか、④介護職員に対するケア上の助言やサービス内容が情報共有されているか、⑤介護・看護サービスやケア記録が効果的かつ柔軟性に行われるかなどについてはKCISを活用した。

また、KCISの操作性や連携共有の利便性については、別途アンケートをとり調査した。

それだけでなく、ケアマネジャーとは「共同マネジメント」の形で密接に連携を図り、情報共有を進めつつ、利用者のニーズに即したケアプランの作成もKCISで行った。

4.倫理的配慮

本研究においては事前に本人及び家族、サービス事業所管理者に研究報告の目的・方法・趣旨を伝え得られた情報は演題発表以外には使用しないこと開示すべき内容には利益相反関係はないこと個人情報保護に努めることを説明し了承を得ている。

5.結果

24時間地域巡回型訪問サービスにKCISを活用したことにより、利用者の心身の状態の変化に応じて柔軟なサービス提供を行うことが可能になり、要介護3以上の要介護者の在宅生活の限界点を引き上げることができただけでなく、ターミナルケアも可能とした。また、1日複数回の定期訪問や随時対応による安心感の提供の効果は認知症高齢者の在宅生活を支えるうえでも有効性が認められた。(KCISの分析結果は当日報告する)

6.考察

KCISを活用したことで、利用者ニーズに即したケアプランの作成が必要になるが、職員配置の在り方や利用者のニーズに即応する必要性からサービス提供圏域のあり方や包括的かつ機能的に支えていけるかなどチームケアの概念の強化などが考察された。(詳細は当日報告する)

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