第11回Kyomation Care研究会開催の御礼

今、日本は相次ぐ大災害、エネルギー資源の枯渇化、超高齢社会と少子化など、パラダイムの転換に直面しています。
加えて、医療の高度化、利用者・家族の多様なニーズ、医療・介護職の人材不足や偏在などで、認知症介護現場は疲弊しています。
私は、認知症介護のあり方を考える時、ここ数年「お互い様」と言う言葉を思い浮かべます。
このことは今から5年前の2011年3月11日に起きた東日本大震災では、1万人以上の人が亡くなりました。今年の熊本地震では、18万人を超える避難者がでるなど生活や産業に深く影を落とす状況です。
多くの建物が津波にのまれ、美しい街並はがれきで埋まり、廃墟と化し、被災された方々を思うと声をなくします。
しかし、自ら被災者でありながら、病院や施設で懸命に働く医療・介護従業者の姿に心打たれました。
モノは壊れても人々の心の絆は壊れることなく、より強く結ばれるものと実感しました。
そして、互いに助け合っている姿に「お互い様」と言う言葉の意味を、これほど実感したことはありませんでした。
最近では、認知症の方へのケアには、多くの異なった専門職が関わっていますが、チームも人と人とのつながりで成り立っています。
各々の専門職が、利用者、家族とそれ以外の人々への思いやりの気持ちを持ちながら、目標に向かって歩み続けることの大切さを改めて感じました。
20160901今回で11回目を迎えるKyomation Care研究会はそのテーマを「認知症介護のあり方を考える」として8月26日ワークピア横浜にて開催いたしました。
これも皆様のご支援、ご協力の賜物であると心から感謝しております。
また、基調講演では、世界的に有名な音楽療法研究の第一人者である埼玉医科大学保健医療学部教授の和合治久先生を招いて「認知症の予防と改善に役立つ音楽療法」についてお話を聞くことが出来ました。
音楽療法は、認知症の方の身体的、感情的、認知的、精神的、社会的なニーズに対応する音楽を意図的に使用する療法で、認知症の進行を緩やかにするだけでなく予防になるお話を聞くことが出来、現場ですぐに役立てることが出来ると参加した方々も喜んでおりました。
昨今は専門志向の高まりやサポートチームなど専門チームの広がりでゼネラリスト対スペシャリスト同士の対立という新たな問題も発生しています。
ことに身近な家族の認知症介護では、なんとか元の状態に戻らないかと一生懸命になるがためにゼネラリスト化してしまう家族との問題を解決しなくてはなりません。
それには、ケアで自律性を高めて連携・協働ができるようなチームマネジメントで実践活動を行い、関係を見直し、質の高いサービスを生み出していかなければならないと考え「家族介護を支えるKyomation Careの新たなる挑戦」をサブタイトルに、全国から、多くの方々が参加して頂きました。
20160902また、Kyomation Care研究会では参加事例の中から、優れた発表に対して、毎年、羽田野杯が授与されています。
今回の事例発表に於いては、以下の方々に授与されました。
●最優秀賞
日本音楽レ・クリエーション指導協会
堀口直子先生
「Music Gymnasticalにより脳の活性化を促した認知症予防プログラム」
●優秀賞
さわやか絹の郷信州岡谷
原昌寛・青木真紀・八幡直希先生
「せん妄を軽減し、良眠=歩行機能の改善を図る」

20160903

●努力賞
SONPOケアラヴィーレ上溝
高橋 尚先生
「ホームで看取る自然な最期の迎え方」

これからも、Kyomation Careを通して認知症の方々に安心して暮らして頂けるよう研究会員一同精進してまいるつもりです。
ご参加いただいた皆様に御礼申し上げます。
また研究会にご協力いただきました、各団体、各企業の方々にもこの場をお借りしましてお礼申し上げます。
今後とも、これまでと同様ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

Kyomation Care研究会
実行委員会

20160904

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第11回Kyomation Care研究会の詳細は、近日中に認知症高齢者研究所のホームページ内に掲載されますので、そちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

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